表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボクの名は  作者: 深海くじら
如月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/237

――月波140字小説(一月三十日~二月五日)「白い部屋」5

月波 @tsukiandnami


「最初はね、彼女のマウスだったのよ」

「マウス?」

「実験用のハツカネズミ。迷路とか走るやつ。そのうちの一匹、ハルがすごく可愛がってた子の性格が変ったって気づいたの。馴致が全く消えて狂暴になって。で、そんな状態が四時間半続いてたのに急に戻ったのよ、元の状態に。そこからは追試の連続」


午後11:03 · 2023年1月30日

月波 @tsukiandnami


「触媒は少しだけ特殊な蛍光試料が混ざった服用薬だったの。人体ならおよそ三日後には分解排出されるその試薬を体内に取り込み、全身に行き渡った状態で特異曲線を通過すると、その瞬間に別世界線に存在する同一対象の魂だか精神だかと入れ替わる。そして次の特異曲線との交差タイミングで戻ってくる」


午後7:54 · 2023年1月31日

月波 @tsukiandnami


「とはいえ、よく自分でやってみたって思うわよ、私に言わせれば」

ケィさんのその台詞にはボクは頷かない。

「いや、それはやるでしょ。発見しちゃったら」

だって身体に影響ないんですよね、その薬。ネズミも元に戻ったし。ボクは思ったことを口にする。

「試しますね。どの世界線であれ、ボクなら」


午後11:57 · 2023年2月1日

月波 @tsukiandnami


「ハルって、どの子もみんなそういう感じなのね。思い切りがいいっていうか、無茶っていうか」

血は争えないのね、などと意味不明を呟くケィさん。そりゃそうですよ。双子以上に同じなんですから。

「最初の入れ替わりから帰ってきたハルは目を輝かせてた。私、他の自分たちに新しい世界を見せるって」


午後8:50 · 2023年2月2日

月波 @tsukiandnami


「新しい世界?」

「そう。あの子はそう言ってた。最初のちょっと不幸な世界線、二番目のまったく針路の違う世界線、そのどちらも、今ここのハルが手にしてる視点は持ち合わせてなかった」

ケィさんは息継ぎをしてから続ける。

「さっき『宇宙からの帰還』の話をしたでしょ。ハルの視点はまさにそれ」


午後7:16 · 2023年2月3日

月波 @tsukiandnami


「碧い宝石の星を一望して初めて得られる感覚。降りてくる啓示を体験してもらうって」

「見ろ。人がゴミのようだ。みたいな?」

「人とか見えないし(笑)」

茶化しはしたけど、正直ボクはこの世界のハルに感謝してた。そしてこうも思った。もしボクがこの世界のハルだったら同じことをしただろうな。


午後8:30 · 2023年2月4日

月波 @tsukiandnami


そっか。この世界線のハルはボクに地球外のこの空間、この環境、この景色を体感させたいって思ったんだ。ここに来た自分が劇的に変わったっていう体験をしたんだな。

「ケィさん。ボクとハル、やっぱり同じ個体なんですね。ここのハルの考えたこと、じわじわと沁みてきてボクの中のモノと繋がります」


午後9:16 · 2023年2月5日

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ