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ボクの名は  作者: 深海くじら
如月

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――笠地蔵六 匿名超掌編コン参加作品(一月十六日公開)「リロードの手間が掛かり過ぎて気が遠くなる」

 肺に空気が流れ込んでくる。その勢いで、俺は繋がった。

 今回は”俺”でよかったようだ。


 ボディの俺が初めての空気にむせて咳込み、あまりの居心地悪さに全身で呪詛を吐き声帯を震わせる。初めて取り込んだ忌まわしき気体を全部吐き切るために、その小さな体のあらん限りで大声を上げるのだ。

 俺はボディが還りたがっている羊水の世界を知らない。コネクトするこの儀式はもう何十回も繰り返してるが、はじまりはいつもこのタイミング。思うに繋がるスイッチは肺呼吸にあると睨んでる。といって、それを確かめる術もないが。


 視界は未だ繋がらない。しかしそれもいつものこと。今のボディは本当になにもできない。急激に乾いていく皮膚を強化して内側の新しい組織の増殖と分裂を守る。へなへなに柔らかい骨格を全身に分布するカルシウム総動員で目の詰まったものに替える。そしてその全ての化学反応を駆動させる触媒を取り込むために慣れぬ吸排を秒ごとのリズムで繰り返す肺と、溶かし込んだ触媒を各組織に搬送すべく毎秒二回以上のハイテンポで伸縮する心臓。これら混然一体となったICUを前にして、我らが前頭葉は試行の余地もない。今回も致命傷回避以外は半年程寝ておこう。

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