――笠地蔵六140字小説(八月二十八日~九月三日)「三十日間のペアリング」15
笠地蔵六 @kasajizorock
飛来した石が向こう脛に当たり蹲る男。それを見てサトルに飛びかかろうとするもう一人。だが彼には雑草に隠れた石灯籠が見えなかった。大股の二歩目を出す瞬間に膝を灯籠で強打する。叫び声が上がった。
苦悶する二人の間を抜け出して、ちさとに向かって走るサトル。庭の奥から広い方へ。時間を稼げ!
―――――午後10:02 · 2023年8月29日
次の瞬間、サトルは足を取られてうつ伏せに倒れ込んだ。投げた石のダメージはさほどでもなかったらしい男が、復活してサトルの左足を取ったのだ。
受身がとれず、顎と両肘を地面に打ち付けるサトル。痛みを無視して起きあがろうとするが、相手の力の方が強い。
「いい気になってんなよ、この餓鬼が」
―――――午後11:56 · 2023年8月31日
仰向けに返されたサトルの上に馬乗りになった男は、一発二発頬を張った。
「随分と舐めた真似してくれるじゃねえか」
男の背後からもう一人も足を引き摺りながら近づいてきた。
「この餓鬼はどうする?」
「どうするもなにも、おっさんは組み伏せられて動かないし意識もない。女は死んでるみたいだし」
―――――午後10:32 · 2023年9月1日
「端た金でバイトしてるだけだし、捕まるのは面白くないから……」
「追っかけてこれない程度に餓鬼を痛めつけたら、さっさとズラかろうぜ!」
馬乗りの男が手を振り上げたところで強いライトが照らされた。
動きの止まった男たちに向かって声が放たれる。
「警察だ。そこのふたり、その場を動くな!」
―――――午後11:07 · 2023年9月3日




