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みなごろし

アリシャがクエストを終え宿の部屋に戻ると、レンの黒い箱と人形が無くなっていた。


彼女は混乱しながら探し続けるも見つける事は出来ず、ひどく落ち込むのだった。



その日の夜。



宝石店に黒い鎧の男が現れた。


「えらく高そうな鎧ですなあ、黒曜石?いやその鈍い輝きは違うな、なんだその素材は」


店主は鎧に興味津々で食い入るように見つめている。


すると男は腰の双剣を抜いて見せた。


「この双剣は〝神殺しの双剣〟と呼ばれている。いやいずれそう呼ばれる」


「いずれ?そんな名前の剣は聞いた事ないですが、業物だって事は分かります」


「そう。せっかくだ、よく見てみれば良い」


男はそう言うと、右手の剣で店主の左目を突き刺した。


「え?え?」


唐突な出来事に店主は理解できないでいる。


男は今度は左に持つ剣で店主の右目を突き刺した。


「ぎゃあああああああ!!!」


とっさに剣を抜こうと素手で剣を持ってしまった店主の両方の親指がぼとりと落ちた。


「ジル!!ジル!!助けろ!!!!」


奥からジルが現れると、異様な光景に絶句する。


「何してるジル!!早く!!!」


ジルは剣を抜くと、猛スピードで黒い鎧の男に切りかかった。


鎧の男は店主の体をそのまま盾のように移動させると、ジルの剣は店主の背中をバッサリと切ってしまった。


「あーあ、店主殺しちゃったね。君は殺人犯じゃん、憲兵呼ばなきゃいけないね」


黒い鎧の男は店主の死体を捨てると、血が付いた双剣を店主の服で丁寧に拭き始めた。


「てめえ」


ジルは再び男に向かって剣を振り上げる。


刃は兜を付けていない男の頭蓋に直撃した。


しかし、何故かジルの剣が粉々にくだけちってしまう。


「ば、化け物…!」


鎧の男は片手でジルの首を掴むと宙に持ち上げた。


その時、何かを思い出した。


「鼻と歯だった」


ジルの鼻を摘まむとカギを廻すように捻った。


バキバキと音を鳴らしながらジルの鼻がもぎ取られる。


「止めて…!」


しかし鎧の男は飄々とした顔で拳を握ると、ジルの口元目がけて叩きつけた。


パン!


という破裂音と共にジルの顔面は粉砕される。


そして、無残にも彼の下あごだけが付いた胴体だけが残るのだった。





数十分後。


レンが殺された憲兵の建物の前に、黒い鎧の男が立っていた。


見るからに怪しいその男に、憲兵たちが10人近く集まって来た。


「何だ貴様は!?」


鎧の男は憲兵たちを見回すと


「いないね、レンを取り調べした2人は?」


「貴様は何者だと訊いている!答えろ!!」


「おい!!怒鳴ると怖いだろ!!怒鳴るな!!」


黒い鎧の男はすかさず憲兵の頬を思い切りひっぱたいた。


憲兵の首が千切れ跳び、他の憲兵の足元に転がる。


「な、何者だ…!!?」


鎧の男は大きなため息をつくと


「俺は神を殺す男だ。凄いだろう?」


と答えた。


「と、捕えろ!!」


次の瞬間、男の剣の一振りで残りの憲兵の胴体が上下に分かれた。


「亜空間をここに繋げる。憲兵は全員殺す事に今決めた、理由はさっき怒鳴られたから」


空間に亀裂が入る。そこに手をかざすとそこから次々と人が飛び出してきた。


突如100を超える憲兵が現れる。


鎧の男は1人1人拳で顔面を殴り始めた。


一撃で顔面が粉砕され、恐怖で逃げようとするも皆体を固定され動く事が出来ない。


と、レンを殺した2人を見つけた。


2人は恐怖で震えている。


2人以外を皆殺しにすると、鎧の男は2人に近づいた。


「憲兵さん、今からあなた達の顎を砕いて指を全部落とします。そして両目をつぶして歯を全部折って、手足の骨を折って、睾丸を潰して全身の皮を剝いで内臓を引きずり出します。死にかけたら治癒魔法で全快させてまた同じ事を繰り返します。それを日の出までやろうと考えてます。その後あなたがた2人の目の前で家族を並べて1人ずつ殺していきます。その姿を確認させてからちゃんと殺します。では始めますね」


淡々と言い放つ男の言葉に呆気に取られる2人は、彼の言葉を夜明けまで発狂する程の苦痛と共に思い知らされる事になるのだった。


そしてようやく日の出が来ると、2人の家族を亜空間から呼び出した鎧の男は予告通り2人の目の前で1人ずつ撲殺した。


そして泣き叫ぶ2人を拷問の末、殺害するのだった。



「まあこれくらいかな。後は神…」




と、その時後ろから声がした。


「き、貴様は何者だ…!?」


そこには怯えながらも剣を握るアリシャが居た。



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