表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
6/103

(4月4日付けの手紙)その4

エヴァの『とんでもないシリーズ』が続きます。


お母さん


 ここは、とんでもないところです。


『とんでもないシリーズ・パート2』です。


 昨日、14人分の教科書を買って、13人分の配達をこなしたんです。

 大変だったけど、何とか配り終えました。


 何しろ、教科書の代金は預かった学生証の番号で自動的に支払われるけど、私がもらう銀貨は現金でもらわなくちゃいけないんです。頑張りもします。


 でも、本当に面倒くさかったです。


 男子寮は女子禁制だから、寮母さんに頼んで個別に呼び出してもらわなくちゃならなかったんです。

 寮の玄関脇の小部屋で、順番にやって来る男子に名前と学生証の番号を確認して、銀貨と引き換えに教科書とノート5冊を手渡していったんです。

 女子寮は、一人ずつ、部屋番号を確認しながら配ったんですが、あんまり面倒だったので、来年から男子より銀貨1枚多く請求しようと思ったほどです。


 晩餐の時間までに何とか配達を終わらせて、やれやれって気分で食堂に向かったんですが、そこで、先ほど配達した男子たちと会ったんです。

 一気に大勢に会ったし、貴族の名前って長くて面倒だから、誰が誰だか分からなかったけど、確かに、私が配達した相手でした。


 で、毎度ありがとうございます、って話になって、大変だったから来年からは銀貨2枚頂きますって、宣言したんですが、中に、私の物言いを面白がってくれる人がいて、その人が、「君、面白いね。食事が終わったら、お茶でもどう?」

って言ったんです。


 ビックリです。

 まさか、貴族にお茶に誘われるなんて。


 でも、私には、急いで教科書を読まなければならないという重要な使命があったので、お断りしたんです。ちょっぴり残念だったけど。


「ありがたいお申し出ですが、急いでやることがございまして。またの機会にお誘いくださいませ」って。


 ちょっとお嬢さまみたいでしょ?私だって、やればできるんです。 



 で、翌朝、朝食に迎えに来たパメラがとんでもないこと教えてくれました。


 何と、昨日の晩に私が、男子生徒にお茶に誘ってもらおうと色仕掛けで迫ったのに、相手の方が、平民なんかとお茶するなんて貴族の沽券にかかわる、と断ったことになってるんですって。

 しかも、私は、断られても、なおもすがって、愛人になろうと頑張っていていたんだそうです。


「う、そ。

 パメラも見てたでしょ?

 誘ったのは、あっちで、私は断ったんだよ?」

「でも、噂じゃ、そういうことになってるの。

 私以外に見てた人もいたのに、知らんぷりしてるの。相手が伯爵家の嫡男だから、関わり合いになりたくないのよ」

「そんなの、おかしいわ!」

学園ここは、そういうところみたいよ。

 しかも、多分、この噂、学園中に広まってるはずよ」

「昨日の今日の話なのに?

 しかも、昨日は昨日でも、晩の話だよ。時間なんてなかったじゃない!」

「そうよ。それだけ、噂って広まりやすいのよ」

「村じゃ、2、3日はかかったでしょうに。その間に、そんな与太話、つぶすことだってできたのに」


 二人して、暗くなりました。



 パメラによれば、貴族の社会では、噂はものすごいスピードで広まるそうです。

 他にやることがなくて暇だからでしょうか?

 そして、学園は、貴族社会の縮図のようなものだと言うのです。


 全く、とんでもないところへ迷い込んだようです。


 入学したばかりだけど、早く卒業して家に帰りたいです。 


                        4月4日

                       

               早くも里心の付いた エヴァ           


エヴァは、パメラの情報によって学園のことを知ることになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ