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色彩のエリーゼ  作者: 目黒 九六
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赤色は怒りを顕にし争いを孕んだ。


青色は哀しみを纏いただ涙を流した。


緑色は何もしなくなり時の流れに身を委ねた。


黄色は眩しく視界を阻み全てを見るのを忘れさせた。


黒色は何も見えず前に歩むことを諦めさせた。


白色は過去も未来も創り出すことはなかった。

白い。


白い。




ただ白い世界。


その白い世界に少女がいた。


少女がいた、と言えるのか、“少女であったモノ”があった、と言うべきか。


ソレは、自身の血液と他者の血痕とで血塗れである。


そして、ソレは蹲り両手を腹に抱え握り締めていた。


その両手の中には、手に収まる程の白い小さな板状の何かが収まっていた。


身体は小刻みに震えている。


生きてはいるようだが、今にも死んでもおかしくない程に瀕死の状態であった。




ソレは顔をあげた。


赤に染まりつつある透き通った白い髪が頬を撫で、緋色の目を覗かせる。


赤い目は焦点は定まっておらず、しかし、ただ一点を見つめているような感じがした。


ただ一点、そこに失ったものを探しているかのように。




そして、ソレ―――少女は口を開いた。




「―――エリーゼ、助けにいくね―――」

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