俺に…
希佐(た…助かった。この女の人が助けてくれたって事だよね。にしてもこの人強いな!)
フード女がフード男を倒したお陰で希佐は助かったのだ。
希佐「あっあの…」
フード女「なに?」
希佐「えっと…助けてくれてありがとう。」
フード女「別に助けたわけではない。私は私達の為にやっただけ。」
希佐(私達の為…?私達ってあの女の人以外にアイツみたいな奴に襲われないように?って事か?そんなことより)
希佐「だとしても、俺はアンタのお陰で助かった。だから、ありがとう。」
フード女「勝手にして。でもね、今回は助かったけど次は、助かる保証はないよ。」
希佐「えっ?それどーゆー事?」
フード女「そう。今回は、何とか私1人で抑えられた。たご、あの男が仲間に貴方の事を伝えたせいで今度くる奴は、今回より強い奴が来る。そうなったら、私1人で倒せる自信はない。」
希佐「何で俺を…?」
フード女「貴方のエネルギーを奪いに」
希佐「そのエネルギーって何だよ?」
フード女「私やあの男が色んな魔術を出したでしょ。それを出すのに自分の身体の中にあるエネルギーを使って出すの。人によってエネルギーの多さ種類が違う。そして、貴方みたいに特別なエネルギーを持つ人もいる。」
希佐「ちょっと待て。俺は、そのエネルギーとやらを使って魔術を出した事がない。それに、そんなエネルギーがあるなんて知らなかったぞ!」
フード女「それは、そうでしょうね。貴方には、関係ないことなのだから。」
希佐「何だよ…それ…。じゃ、アイツ等は俺のエネルギーを奪ってどうするつもりなんだ。」
フード女「貴方の特別なエネルギーをとってアイツ等の本部にいる闇の悪の王のエネルギーの一部になって、誰にも敵わないようになり私達が暮らしている国の人類全員を制圧させその国の王様になるためよ。そして、エネルギーを全部奪われた人は……死ぬ。」
希佐「そんなんの為に俺が…死ぬ…?」
希佐は、今自分に起こされる事が理解できず困惑している。
フード女「そう。だから、私は自分達の国を守るため貴方のエネルギーをアイツ等に奪わせるわけにはいかない。だから、貴方を守った。」
希佐「………。」
フード女(無理もない。自分のエネルギーを奪われたら死ぬと言われて怖くない奴なんていない。しかも、本当に何も知らないんだな…)
希佐「俺は…俺は、どうすれば良い?」
フード女「身を隠すか!己を強くしてアイツ等を倒すか!の二択しかないよ。」
希佐「二択…身を隠したら、どーなる?」
フード女「自由に出歩く事も難しく貴方が見つからなかったら、他の人が狙われる。例えば、貴方のお母さんとかね!」
希佐「母さんが!!!」
フード女「そう!貴方がここら辺に住んでいるって事は、貴方のお母さんもここら辺に住んでいるって考える。それに貴方のお母さんの遺伝子は、貴方。って事は、お母さんにも特別なエネルギーがあるって考えてもおかしくはないよ。」
希佐「でも、母さんが魔力を使っているところなんか見た事ないし母さんは、そのことを知ってるのか?」
希佐は、フード女が一瞬悲しい雰囲気を感じた。
フード女「さぁーね!知ってるのか知らないのかは分からない。もし、知ってても今まで貴方に言わなかったって事は、何か理由があるのかも知れないって事ね。」
希佐「なんだよ!その理由って!」
フード女「そんなんっ!!」
と怒鳴りながら何かを言いたげだったがすぐ落ち着き答えた。
フード女「あたしが知るわけないじゃない。貴方のお母さんじゃないんだなら。」
希佐「そ、それもそうか…」
ちょっと気まずそうに呟いた。
フード女「もし、知らなかったとしたら貴方が聞いた所でお母さんは貴方に何で?と問い詰めるでしょうね!今回あった事を話したらお母さんは、どうなる?」
希佐「驚いて大騒ぎになるかも…」
希佐は、ちょっと青ざめた顔になった。
フード女「そう!だから、お母さんはもちろん貴方の友達や知り合いには今回の事は、言わない方が良いわね。」
希佐「あぁ。黙っとくよ…」
フード女「それに、貴方を狙うもう一つ理由もある。」
希佐「まだ、あんのかよ…」
フード女「貴方の目。」
希佐は、驚いた。
希佐「俺の目…?」
フード女「そう。その赤と青の目。その目は、あたし等の国でも珍しいく選ばれた者がその目を持ち遺伝でその子供が持つ事もある。例外もあるけど。その目は、己の強さに合わせて強くなる。もっと強くなればなるほど、凄い魔力…いわゆる技が出せるの。さっきの男はこの暗闇のおかげで貴方の目には、気づかなかったみたいだけどまた奴らの仲間が来たらその目に気付くのは時間の問題。」
希佐「遺伝って母さんは、茶色の目だ。それにそんな凄い目を持った俺は何も感じないし選ばれた者って何に選ばれたんだよ。」
フード女は、少し黙った…
フード女「何も感じないのも当たり前。貴方は、何も魔力を持っていない。持っていても簡単にその目の魔力は、使えない。しかもリスクもある。それに、何の選ばれた者かもあたしもしらない。」
希佐「リスク…?」
フード女「その目の魔力を使ったら、半分以上もエネルギーを使ってしまう。それにすぐ違う魔力が使えない。」
希佐「でもこの目の魔力は強いんだろ?」
フード女「さっきも言ったけど、その目の魔力は己の強さに合わせてる。つまり、己強さが弱ければその目の魔力も弱い。ってことは、己が弱くその目の魔力を使った場合は敵は倒せない。そしてエネルギーは半分なくなりすぐに次の魔力も使えずにいたらやられるってこと。」
希佐「俺自身強くならないといけないってことか…」
希佐はまた、また悲しい雰囲気を感じた。
フード女「そう。貴方自信強くならないと奴等を倒せない。強くなっても、奴等に勝てる保証はない。奴等もかなり強い者もいる。負けたら…」
フード女は、黙ってしまった。
希佐「……」
希佐も黙っている。
しばらくして希佐が口を開いた。
希佐「負けないように強くなれば良いんだろ!俺こー見えて、根性はあんだ。」
フード女「ふぁ〜。じゃ、逃げずに己を鍛えて戦うのね。」
少し、口元が微笑んだように感じた。
希佐「あぁ!どっちにしろ死ぬと思うなら俺は、少しでも可能性があるやつを選ぶ。それに母さんを守る為だ!」
フード女「へぇー。貴方も男なんだね!」
希佐「はっ?当たり前だろ!」
希佐は、少しキレ気味になった。
フード女「きつい、辛い特訓になるけど覚悟はいいね?」
希佐「へぇ?アンタが教えてくれるの?」
フード女「じゃ、逆に誰に魔術教えてもらえるの?」
希佐「あっそうですね。」
情けない顔をしている。
フード女「もう一度、聞くけど覚悟はいい?」
希佐「あぁ!どんとこい!」
深呼吸した後、この先どんな事が起きようとも乗り越えて見せると強い意思を持ち答えた。
フード女「そう!早速だけど、明日っ」
希佐「ちょ、その前に。悪いなっ!」
フード女「えっ!な、何をっ!!」
希佐は、フード女のフードを取った。
それに驚きフード女は、顔を隠したが…