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遊びと占いと

作者: 神名代洸

学校で今流行っている遊びがある。

それはコックリさんとどこか似ている遊びだ。

人数は4人まで。

占いは「はい。」「いいえ。」で答えられるもののみと限定されている。

でもね、その占いで占っちゃいけないものが一つだけある。

それはね…。



まぁ、僕の話を聞いて見てよ。

それからでもいいだろ?



僕が体験したんだけどね。

ある占いをしたんだ。

それはね?…勉強だ。

今度のテストいい点取れるか心配だったんだ。だから占って見た。

いい点取れますか?って。

そしたらね、『はい。』って出たんだ。嬉しかったね〜。

もうはりきって勉強したよ。

結果は聞くまでもないでしょ?


勿論いい点取れてたよ。

親にも褒められたし。

頑張ったねって。


他にも色々と占ってもらったんだけど、どれも当たったんだ。

でね?ある占いを試して見たくなったんだ。友達はダメだよって、…その占いだけはしちゃダメだって。

本当になるよって言うんだ。

でもね、気になるじゃないか。


だからね、飼っていたペットの事を占って見たんだ。

長生きできますか?って。

僕の飼っていたのは犬。勿論雑種だ。

飼い始めてちょうどまる10年経つ。


占いの結果は『いいえ。』だった。

まさか早く死んだりしないよなって再度ねんをおす形で病気ですか?と聞いてしまっていた。

『いいえ。』と出たので散歩に行く時などは特に注意して出かけたんだ。

それなのにね、事故が起こったんだ。

僕の飼ってた犬なんだけどね、こんなこと起きるわけないはずなんだけどね、たまたまそばを歩いていた同じくらいの犬にちょっかいをかけてしまって、しまいには喧嘩になってしまったんだ。お互いの飼い主は互いの犬を引き剥がそうとしたよ。

でね、出来たんだけど僕の犬の様子がおかしかったんだ。

尻尾を丸めて股の間にしまっている。

どうしたのかわからず、僕はそのままその日は様子を見ることにしたんだ。

だけどね、次の日の朝犬は冷たくなっていた。

な、なんで?

わからない。

だけどね、その時は占いのことなんてすっかりと頭の中から抜け落ちていたんだ。けどね、その日の学校でその話をしたんだ。友達に。

そしたらそれはきっと占いのせいだって言うんだ。

あんなのただの占いだよ?

それほど信じちゃいなかったんだ。

でもね、もう一度だけ占いをして見たくなり、友達を半ば無理やり引き摺り込んで占ったんだ。

占いの内容は…。


最近調子があまり良くない母のことだ。

ただの風邪なんだけど、咳が止まらない。

熱もあるようでだるそうにしてるんだ。だから病気治りますか?って占って見たんだ。

そしたらね、グルグルと机の上の文字の間をグルグルと回りだし、最後には『いいえ』と指し示して止まり、僕は恐怖した。


「な、何だよそれ…。ただの風邪じゃん。死んだりするわけないさ。」

駒が動き、『いいえ』と指し示す。

怖くなった僕は駒から指を離し、「こんなの嘘に決まってる!」って言ってその場から離れてしまった。

「まずいよ。途中で離れたらもっと悪いことが起きるよ。戻ってきなよ!」

言われて怖くなった僕は渋々戻ってきた。

指は震えている。

震えながら駒に指を当てて質問をした。

「怒ってますか?」

そう言った瞬間に駒がジグザグし最後には『はい』のスペースで止まった。

「どうしたら許してもらえますか?」

グルグルと回るだけだ。

はい、いいえでは答えられない質問だったから…。

再度質問をした。

「僕を許してくれますか?」

静かに待った。すると『いいえ』とでた。

僕は怖くなってもうこれ以上質問は出来なかった。


友達も黙ってしまっている。

皆真っ青だ。そこに先生がやって来た。

「お前ら何やってるんだ?」そう言って僕らの机の上を見て固まった。

「まさか…占い?」

「あっ、はい。」

「馬鹿なことはしてないで何か他のことをしなさい。」先生の顔色が悪い。

「先生、どうかしたんですか?顔色が悪いですよ?」

「いや、何でもない。何でもないんだ。いいから他の事をしなさい。いいですか?」

「は〜い。」


翌日先生は亡くなった。

あの顔色は良くなかったのだ。

でも何で先生が?

わからなかった。

でもね、先生の自宅の机の上には僕らがやったのと同じ駒が置かれていた。

勿論、『はい、いいえ』の紙も一緒に。

何を占ったのかはわからない。

でもね、母さんの具合が良くなったんだ。

あの占いでは良くないって出てたのに…。


もうあの占いはやってない。

占いに頼る事なく過ごしていこうと決めたから。



でも、先生何占ったんだろう…。

占いじゃなく願い事を占ったとか?


僕らはそれ以降占いはしなくなった。

あの占いでは命に関することはしちゃいけないんだよって後になって友達から聞いたんだ。

まさか先生…してないよね。って言うか、知ってたりなんかしないよね?





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