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Raison D'être  作者: 澪音
Ⅱ.旅路
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Page.33「森を抜けて」

今回は短めです……

(本来書こうと思ってた地点よりも手前でキリが良くなってしまいました……)


少しずつ追記していくか、スパッと分けてしまうかで少し悩み中です。

 次の目的地へ向けて『迷いの森』を進んでいく。


 本当にあのようなモノで、この『迷いの森』を抜け出すことができるのだろうか。


  あのとき、確かに凄いなぁとは思ったのだが、俺の心のどこかでは信じきれていない部分もあるらしく。


「お、出口見っけー」


 だが、フゥのどこか気の抜けた言葉により、それも杞憂に終わったようだ。


「ノアさんの様子から察するに、信用してないところもあったり……?」


 クスッと笑いながらクレアは俺に声を掛けてくる。


「ぐ……表情(かお)に出てたか?」

「いやまぁ、特には出てなかったかな……ほんの一瞬の表情の変化くらい?普通の人であれば別に気付かない程度の」


 ……なんでクレアはそれを捉えられたんだ。


「あ、えぇと……なんというかこう……フゥ君を見てたら、勝手に身についてしまったというか……あはは……」

「何か言ったかー?」


 照れ笑いをしながら、不思議そうな顔をしているフゥに「なんでもないよー」とクレアは言葉を返す。


 ……十分に凄いことだけどね、それ。


 そんなことを思いはするものの、言葉には出すことはしなかった。


「……なんか、元気がないような……?」

「えっ……?」


 ずっと黙ったまま歩き続けているシエラのことが、どうにも気に掛かったから。


「……大丈夫?」

「大丈夫、ですよ……?」


 「どうかしましたか?」とでも訊きたそうにシエラは首を傾げてみせる。


「なら、良いんだけど……」


 ……まだ、モヤモヤの原因を探しているのだろうか。


 その疑問を訊こうと思ったが、できなかった。


「やっと抜け出せた〜」


 フゥとクレアが思いのほか先に進んでいたために、置いていかれる可能性が見えてきたから。


「あっ、ちょっ、いくらなんでも早すぎるだろ!!」


 そう言いながら、追いかけようとしたがさすがにシエラを置いていってしまうことはできないと思い、咄嗟にシエラの手を取った。


「さすがに置いていかれるのはマズいから、少し走るよ!」

「えっ、あっ、はいっ!!」


 突然の出来事にシエラは戸惑っていたがすぐに理解してくれたようだ。


 ───走っている最中に感じた、僅かに握り返されるような感覚は、勘違いではなかったのだろう。

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