5. 無事?転生
やっと主人公の転生までこれた…
「…ん、ここは?」
俺は森の中で寝そべっていた。そうだ!女神が転生させてくれたんだ。俺は急いで立ち上がる。おおっ!身長がいつもより高い気がする!ちゃんと男らしく転生させてくれたんだな。そう思ってなにか自分の容姿を確認する手段がないか考える。そういえば、魔法使えるから水魔法で確認できないかな?そう思って自分の前に水の壁ができるようにイメージする。魔法ってイメージが大事だったはず…。すこし不安だったが、ほどなくして水の壁が出来上がる。本当にファンタジーの世界に来たことと自分の容姿にワクワクしながら確認をする。
「………」
バシャッ!水魔法を一旦やめる。あれー、おかしいなぁー?もう一度水魔法を使って自分の容姿を確認する。
「は?えぇぇぇーーー!!?」
なんとそこには銀髪、碧眼、狐人の美女がうつっていた。身長は160代後半ぐらい。髪は腰のあたりまで伸びていて、サラサラしている。目はちょっとつり目で鼻筋がよく通っている。唇はふっくらとして健康的な色だ。頭には髪の毛と同じ色の狐耳がピクピクと動いている。そして、お尻のところからこれまた髪の毛と同じ色の狐の尻尾が1尾ユラユラと動いていた。胸は控えめだがちゃんとある。腰には女性特有のくびれがあり、全体的にスレンダーな感じだ。
俺、ちゃんと男らしくって言ったよな…?そう思っていると上の方からヒラヒラと紙が落ちてくる。どうやら女神からだ…
「ごめんなさい。九尾の狐人が女性しか生まれないのを見落としていました。もうその世界に転生させちゃったから、体を作り替えることは出来ません。だから、その体でこれから頑張ってください。
P.S. 男性が女性になって、それでも女性を好きになる…。そんな百合百合しい場面を期待してます。あぁでも、困惑しながらも男性を好きになるという展開もいい!ハァハァ…」
俺は無言で紙を破り捨てた。もうこの体で過ごしていかないといけないのか…。しかも最後のところ女神の性癖書かれてたじゃん。
ハァ…、と心の中で溜め息をつきチラッともう一度自分の容姿を確認する。そこには顔を赤くし、涙目になってこっちを見る美女がいた。思わずドキッとしてしまう。しかし、その気持ちも直ぐ冷めてしまう。これが自分じゃなかったら惚れてたんだけどなぁ…。
「ハァ…」
森の中で可愛らしい溜め息と風が吹きザワザワと草木が揺れる音が穏やかになっていた…。
次回はステータスの説明をやりたいと思います