4. 女神との会話(後編)
あぁー!結構疲れますね、小説書くの。
やっと女神との会話が終わります。
「そういえば、俺って転生したらなにすればいいんだ?」
「あー、言ってなかったですね。貴方は勇者が魔王を倒せるようサポートをしてください」
俺が直接魔王倒せばいいのに…。チート貰ったし簡単だろうと思っていると、どうやら勇者の力を発現した転移者しか倒せないらしい。勇者しか持てない聖剣を魔王の心臓に刺さないとなにをしても復活する。勇者しか持てないのは、大賢者が強すぎる聖剣をめぐって人間同士で争わないようにするため、魔方陣を組み込んだらしい。
「なので、勇者以外がその聖剣を持つと魔方陣が発動して聖剣に溜め込まれた魔力が体に流れだし…」
女神がそこで言いよどむ。
「「体が爆裂四散します(する)」」
女神と声がそろう。だと思った。なに?爆裂四散大好きなの?俺もう爆発したくないよー。記憶に無いけど。
「んー。そういうことなら俺は勇者のサポートにまわるよ」
「そう言っていただけて助かります。では転生を始めますか?」
んー、他になにかあったっけ?あっ、重要なの聞いてなかった…
「俺が転生する世界ってどんなところなんだ?」
「あっ、そうだった…。貴方のお仕置…じゃない、貴方様との会話が楽しすぎて忘れていました」
女神が途中震えだす。んー、別になにもやってないけどなぁ。ただ笑顔で準備体操してるだけなんだけど。それを誤魔化すため女神の説明が始まる。
俺が転生する世界の名前は「リグラス」。人間、獣人、エルフ、魔族、魔物がいる剣と魔法のファンタジー世界だ。今栄えている国は3つ。エルフが暮らす世界樹を中心にした国、「ユグドラシル」。まんまそのままだなぁーと思う。 そして、世界樹から北に行くと人間が暮らす「オルシス王国」。世界樹から東に行くと これまた人間が暮らす「ハワード王国」。2つの国に分かれているのは宗教の違いである。オルシス王国では世界神。ハワード王国では大賢者を信仰しているらしい。昔は宗教の違いから争いが絶えなかったらしいけど、前の転移者達が和解させたという。ちなみに世界樹から南に行くと獣人達が暮らすところがあるが、それぞれの種族同士で村を作って暮らしているそうだ。
「そして、最後に世界樹から西に行くと魔族が暮らす魔界があります。今回貴方にはハワード王国の近くの森に転生してもらいます。言語や読み書きについては力を渡しておきますので問題ないです。これで説明は終わりですが、転生を始めますよ?」
もうなにもないかな…。と思っていたところで思いつく…
「勇者のサポートにまわるんだったら世界のことや力の使い方のことを知っていたほうがいいし、体を馴染ませるためにも異世界召喚がされる前の時間軸にいけないか?」
「へぇ…、貴方にしてはよく思いつきましたね」
女神がかなり意外そうな顔をしながらこちらを見てくる。なんかすこし罵倒された気分になるが気にしないでおく。
「出来ますよ。何年前に行きますか?」
「じゃあ、2年前ぐらいにしといて」
これぐらいの期間があれば十分準備出来るだろうと思う。
「もう転生を始めていいですよね?」
この質問は3回目だ。流石に女神も説明ばっかりで疲れてきてるだろうし、憂鬱そうな顔をしている。俺も聞くことは聞いたし、あとは異世界で学んでいくとするか。
「もういいよ。ちゃんと転生させてくれよ」
「わかりました。では行ってらっしゃい」
この言葉を最後に俺の意識は2回目のブラックアウトをするのであった…。
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フゥー、やっと転生してくれた。心身ともにかなり疲れたなー。なんて思っていると…
「女神様ーー!!」
遠くのほうから私を呼ぶ声が聞こえ天使が出てくる。かなり急いでいるようだがなにかあったのかな?
「どうしたの?そんなに急いで」
「さっきの方、種族が九尾の狐人ですよね!?」
「うん、そうだけど?」
「……九尾の狐人は女性しか生まれませんが…」
「えっ?」
私はさっきの紙にもう一度目を通していく。あっ、本当だ。最後のところに書いてあった…。
「ハハッ、まぁいっか…」
真っ白な空間に天使の溜め息と私の乾いた笑い声が響いていた…
次回はやっと主人公が転生です!