3. 女神との会話(中編)
「じゃあ次は3つの願い事にいってみるか~♪」
「はぁ…」
女神があからさまに溜め息をつく。実はさっきの女神の説明の時にあれこれ考えていた。女神は心が読めるから、説明をちゃんと聞いていなかったことと俺がどんな無茶ぶりを言うかで溜め息をついているようだった。
「まともなやつにしてくださいね…」
「大丈夫だって。じゃあ1つ目は俺の身体能力を最強クラスにして、空間魔法以外も魔法が使えるようにしてくれ」
「それ2つあるじゃないですか」
「ちっ、バレたか」
「そりゃバレますよ。まぁ、能力アップという名目で出来ないことはないんですが…」
「出来るならいいじゃん。それでお願いしゃーす」
「はぁ…。じゃあ2つ目はなんですか?」
「2つ目は20歳まで成長してあとは寿命が来るまでの間、不老不死にしてくれ」
「あっ、それでいいんですか?なら、ちょっと待ってください」
女神がそう言うとどこかに手で合図を送る。すると、どこからともなく天使が現れた。天使は持っていた紙を渡すとまた消えた。
「確か、それにあった種族がいたはずなんだけどなぁ…」
どうやら俺の要望に合う種族を探しているようだ。えっ?俺、人じゃなくなるの?
「あーあった、あった。狐の獣人の中でも特に力を持った九尾の狐人が2つ目の願いに該当しますよ。…あっ、1つ目の能力アップも該当してますね」
1つ目の願いと2つ目の願い、両方を兼ね備えているのか。それに…狐!?俺はかなりイヌ科の動物が好きだ。狐もイヌ科だから、大好きだ。それの獣人になれるなら…
「じゃあ、九尾の狐人でお願いしまーす。ちなみに寿命ってどれくらい?」
「寿命は200歳ぐらいです」
結構長生きするなぁと思ったが、まぁいいだろう。
「では、決まりですね。じゃあ、最後の願い事はなんですか?」
「3つ目はもちろん…もっと男らしくしてくれ!!」
「溜めを作って言うようなことじゃないと思いますけどね。まぁ、簡単なので良かったです」
女神は今度は安堵の溜め息をつく。俺としては死活問題だったのだけど。ていうか、女神が最初の頃よりフレンドリーになってるなぁとどうでもいいことを思うのであった…