24. 模擬戦(中編)
見切り発車なのでこの戦いをどうもっていこうか迷ってました。
ある程度目星が立ったのでまた近いうちに更新していきます。
何かがある。ただその何かが分からない。カイトさんのスキルにはそれらしいものはなかったはず。なら魔法?どちらにせよ警戒しておくのが自然。
カイトさんは今にもこちらに突っ込んできそうだ。ただカイトさんの髪の毛が逆立った理由が分からない以上近づくのは危険。そう判断した俺は魔法での牽制を試みる。
ここは地味だがカイトさんの情報収集も兼ねて土魔法で壁を作り、両脇から挟み込む。これで捕まえることができたら攻撃を。何らかの対処をされたら守備にまわればいい。
俺は改めてカイトさんを注意深く観察する。カイトさんは前傾姿勢で今にも突っ込んできそうだったのにずっとそのままの体勢だ。顔を見るとさっきまで攻撃されていたときとは違い余裕の表情だった。それは同時にさっきまでの状況を覆すほどの術を持っているということの証拠である。
俺はその表情がひどく嫌いだった。力を、才能を持っている者の顔。前世の俺は女の子のような顔で特に運動神経がいいわけでもなく、力なんて非力だった。いじめられることはなかったがやっぱり周りからは舐められていた。
しかし、今の俺は違う。力も、才能も女神から貰った。カイトさんがさっきまでの状況を覆す力を持っているのなら俺はそれをも覆せばいい。カイトさんの力の全てを破り、否定することで自分の力を肯定する。
後になって思えばこのときの俺は女神から貰っただけの付け焼き刃の力を過信して傲慢になっていたんだと気づいた。前世では手を伸ばしても届かなかった高みに、今はのぼり詰め余裕で下を見下せるのだと。
俺は自分の力を信じ、土魔法を使った。まるでスローモーションのようにカイトさんの足下から土が動き出す。実際は詠唱破棄の不意討ちからの攻撃で時間はそんなに経ってない。アドレナリンが出ているせいか全てがゆっくりに見える。
そんななか、カイトさんが変化に気づく。目線を自分の足下に下げ、再びこちらに戻す。
ここで違和感。なにかがおかしい。スローモーションで見える光景の中でカイトさんはさっきまでと変わらない速さで足下を確認し、こちらに顔を向けた。それまでに土はカイトさんの身長の半分も盛り上がっていない。
それに気づいたときにはカイトさんが目の前まで接近し俺は防御をすることもできず後ろの壁まで吹き飛ばされた。




