19. 初モンスター
5体のモンスターは何語かをブツブツ呟き詠唱にはいっているようだ。なんなんだ。いきなりやって来たと思ったら火魔法なんか使いやがって。こんな草木が生い茂った場所に火を放ったら燃え移るとか考えないのか?ここには薬草だってあるんだぞ。……あれ?薬草は?
「あっ……。あぁーーーー!!」
俺が目にしたもの。それは炎につつまれその身を燃やす薬草たち。俺はモンスター達のことなんか気にせず、背を向けて水魔法を使う。
ジューーー……。炎は鎮火したが見るも無惨な姿に変わり果てた薬草たち。俺の中の何かがプッツンするのと、背後から先程と同じような火魔法が飛んでくる音が聞こえてきた。
「よくも……、よくも……、よくも……。よくも薬草にむかって……」
振り返ると5メートル先を飛んでくる火の玉。
「この汚ならしいアホがァーッ!!」
そこから空間魔法を使い魔法を使ったモンスターの前に一瞬で転移する。そして刀を抜き、斬りつけていく。5体のモンスター達は声を出すことも出来ず死んでいく。
俺はそこから巨体なモンスターに斬りかかるが、巨体とは思えない素早さで俺から距離をとる。
「グオォォォーーーー!!」
そのモンスターは闘志を奮え上がらせるためか、はたまた仲間をやられたことへの怒りか雄叫びを上げる。そっちがその気なら俺だってやってやる。
「九尾化二尾」
俺がそういうと力が湧いてくるような気がする。いや実際に前より力は出せるだろう。俺は力に慣れるため走ってモンスターに近づき、刀を横に斬りつける。しかしその攻撃はモンスターの右腕にふさがれてしまう。そして空いている左腕で反撃を受ける。
「ぐはっ!」
近くにあった木に体を打ちつけ、一瞬気を失いそうになるがなんとか堪える。しかし、なんつー堅さとパワーだ……。傷も少ししかついてないし完全なる脳筋バカだ。……と、そんなこと考えてる場合じゃない。モンスターは2足歩行で地面を揺らしながら突進してくる。
「九尾化三尾」
俺は力を解放し、その突進を回避する。モンスターは木にぶつかるが木のほうが何十メートルも飛ばされていく。あんなのにはぶつかりたくない。
「九尾化四尾」
俺はさらに力を解放し背を向けているモンスターに斬りかかる。
「ウガッ!?」
初めてそのモンスターの呻き声を聞くがまだ致命傷にはなっていない。先程より傷が深くなっただけ。その証拠にモンスターは右腕を振り払ってくる。俺はそれを屈んで避ける。
「九尾化五尾」
頭の上を通過した右腕を使えなくするため右肩の筋肉を斬りつける。まだ斬り落とせないがこれだけでも十分効果は出る。案の定右腕がだらしなくぶら下がる。
「九尾化六尾」
まだ使える左手のパンチをバク転して回避し、距離をとる。
「九尾化七尾」
モンスターの周りをぐるぐると回り撹乱する。モンスターからすれば残像なんかが見えているだろうか。かなり動揺した様子が見てとれる。
「九尾化八尾」
そこからモンスターに斬りかかる。まずは左腕を斬り落とすため背後からモンスターの脇を抜ける際に刀を振り上げ左腕を斬り落とす。次に右斜め後ろに高く飛びアクロバティックにバク宙をし体を捻る際に右腕を斬り落とす。これで見映えがよくなった。
「九尾化九尾」
そして着地と共に最後の力を解放しモンスターの胴体を一閃。モンスターの正面に背後を向けた状態で立ち刀を鞘に納める。モンスターからすればいきなり前に現れて背後を無防備にさらしていると思うだろう。
振り向くと自分の両腕を斬り落とされていることさえ気づいていないモンスターが前はあった左腕で攻撃しようとしていた。
「おい動くな。……ズレるぞ」
人の言葉が分かるはずもなく。そのモンスターの上半身と下半身はキレイに分かれてしまった。断末魔の雄叫びを上げ、モンスターは動かなくなる。
戦闘シーンの描写が難しい~。
自分で書いてて分からなくなってしまいます。表現力とか語彙力が欲しいと思う今日この頃。




