プロローグ2
教室に着き、自分の席に座ると潤が俺のところに近づいてきた。
「さっきは悪かった」
「いや、いいよ。潤のせいじゃないし、俺のことで怒ってくれたし」
一悶着あったが、潤の本心を聞けたから良かったと思う。それに取り巻きの女子にもハッキリと怒鳴っていたし、それも潤に好感が持てるいいところだ。まぁ、亜里沙には睨まれたけど。
「どうしたのイソジュン?暗い顔して?」
そんな俺達のやり取りに入ってきたのはもう一人の幼馴染みの上原結衣だ。顔は整っていて、身長は俺より高く150代後半ぐらいだ。女子に身長で負けるなんて…。そんなことを心の中で嘆いていると、
「ササユウ、何があったか教えて~」
どうやら潤がさっきのことを言わないようで俺に聞いてきた。潤の方をチラッと見ると言わないで欲しいとジェスチャーしてきた。
「特に何もないよ」
潤としてはさっきのことを蒸し返さないでほしいだろうから、何もなかったと伝える。それでも、聞いてくる結衣にどうしようかと二人で困っていると…
「キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン」
とチャイムの音がなった。これを合図にクラスの人が教室に入ったり、席に着いたりしている。
「じゃあ俺いくわ」
と潤が席に戻り、結衣もしぶしぶ席に戻る。あ、亜里沙が教室に入ってきた…。めっちゃ睨んでる。あー嫉妬に狂った女は怖いなぁ、なんて思っていると教室がざわめき出す。なんだ?と思って耳を傾けると、いつもチャイムがなると来る先生が来てないことで確認に行こうという話しになっているらしい。
クラス委員長の人が確認に行ってくることをみんなに伝え、教室のドアの方に向かう。しかし…
「あれ?」
そんな委員長の気の抜けたような声とガタガタとドアを開けようとする音がなる。
「ドアが…開かない」
その声を合図にしたかのように急に巨大な魔方陣が床に広がった。
「なんだこれ!?」
クラスの人が一気にざわめき出す。
「潤!結衣!」
俺は幼馴染みの二人を呼ぶ。二人も俺の名前を呼び、近づき手を伸ばす。しかし、もう少しで手が届くところで魔方陣が光だし、俺の意識はブラックアウトした。その日その学校から30人の生徒が消えた…。