表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラス転移~俺だけ人外転生~  作者: プニプニ
12/27

10. 門番

俺達は今ハワード王国の出入口付近の茂みに隠れている。理由は空間魔法で運んでいた盗賊を外に出すためだ。空間魔法は転移者しか使えないので人前で使うと騒ぎになる。出入口には見張りの門番がいるのでここから兵士に担いで運んでもらう。もちろん兵士にも空間魔法のことは他言しないようにとエリスが言っている。俺も人前でホイホイ使わないようにと言われ、素直に頷く。


そして、盗賊達を外に出し兵士達が一人ずつ担ぐと門番に近づく。


「お勤めご苦労様」


「ハッ!勿体なきお言葉。…ところで馬車や他の兵はどうしたのですか?」


エリスは暗い顔をする。


「王都に戻る際に盗賊に襲われてしまい…」


「!?すぐに王様に報告して兵を集めなくては!」


門番はすぐに行動しようとするが…


「大丈夫です。盗賊ならもう捕らえてあります」


「そうですか。王女様がご無事でなによりです。しかし、どうやって盗賊を?」


「実はこの方に助けていただいたのです」


そう言ってエリスと兵士は横にずれる。エリス、兵士、俺の順で並んでいたので門番から俺は見えていない。


「!?…この方がですか?」


門番は一瞬目を見開いて唖然としていたが、再度確認する。顔が若干赤いのは気のせいだろう…。


「はい。この方はクラウディア様です」


エリスは王女モードなのでお姉ちゃんとは言わない。さすがは王女様。時と場所を弁えることは出来るらしい。なんて思っていると…


「一応ギルドカードを見せてもらっていいですか?」


と言われ俺は返答に困った。どうしようか迷っていると…


「実はクラウディア様は記憶喪失なのです。もしかしたらギルドカードを無くしてしまっているかもしれません」


「そうなのですか?」


「…はい」


俺はエリスのフォローに便乗することにした。心の中でエリスに感謝する。


「では、ステータスを見せてもらえますか?」


「ステータスは他の人に見せられるんですか?」


「はい。設定を変えれば他の人にも見せることができます」


「分かりました」


俺は門番の指示で設定を変えていく。途中エリスがなにかに気づいた顔をして「ちょっ、まっ」と言っていたが気にせずステータスを開く。


「ステータスオープン」


名前:クラウディア

性別:女

種族:狐人

年齢:16

HP:50,000,000/50,000,000

MP:1,360,000/10,000,000

能力:攻撃力B 防御力B 機動力A 精神力B

魔法:火魔法 雷魔法 光魔法

称号:なし

スキル:看破 剣術


これが今見せているステータス。もちろん隠蔽を使ってますとも。あっ、エリスに言ってなかったな…。だからあんなに焦っていたのか。エリスはホッとしたような顔をする。しかし…


「まだなにか隠してそうね…」


と小さい声で呟く。バッチリ俺の狐耳は聞こえてるけどね。気づいてないふりしといたほうがいいかなと思っていると…


「はい、確認しました。ありがとうございます」


と門番が確認を終える。たぶん看破スキルを持ってるだろうけど上手く隠せているようだ。


「称号の欄になにもなかったので冒険者ではなかったようですよ。ギルドカードは通行証にもなるので作っておくことをオススメします」


門番は親切に教えてくれる。


「それとこれは盗賊にかかっていた賞金です」


「こんなにですか?」


俺は門番に渡された袋を覗くと金貨が6枚入っていた。


「盗賊をうまく捕獲していたようですので、上乗せしておきました」


「そうですか。ありがとうございます!」


俺は嬉しくなり笑顔で答える。


「!!いえ、こちらこそお礼を申し上げなければなりません。王女様の救出、盗賊の捕獲、感謝申し上げます。それではごゆっくりお過ごし下さい」


門番は顔を赤くしながら頭を下げる。俺達は門をくぐっていく…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ