始まりの依頼
このサイトに初めて投稿する作品です。
皆様の温かい目で気長に見ていてほしいです。
10月中旬 イタリア某所・・・
マフィア同士の抗争が行われていた。
銃撃のオーケストラが鳴り響く中、
マフィアとは思えないマントをかぶる男と
殺し屋だと言わんばかりのコートを羽織った青年が対峙していた。
マントの男は手を前に出し、何かしらの言葉を発した後、青年に向かって雷光が放たれる。
しかし、青年はすぐさに避け、手にしていた拳銃を男に向けて発砲する。
男は自身の周りに雷光を落とさせ、凶弾を弾き落としながら青年に雷光を放つ。
そんなやり取りを数回した後、青年は拳銃をリロードし、狙い澄ました顔で発砲した。
男はまたかと思った顔で雷光を弾丸に落とした。
が、凶弾は雷光を無視し体を打ち抜き、男は驚愕し目を大きくして倒れた。
青年は片手に拳銃を構えながら、倒れた男に近づき顔に銃口を向けた。
痛みからなのか、男はもがき苦しんでいた。
そして、拳銃が向けられている事に気づき、恐怖に顔が染まり男は命乞いを言い始めた。
「見逃してくれ!!私が悪かった!!今まで私が集めた魔導書全てあんたにやるから命だけは頼む!!
・・・・この通りだ!!」
しかし、青年は拳銃を下ろさず、周りが静寂に包まれる。
少しした後、この状況に耐えれなくなったのか、男は壊れた声が出る人形のように、
命乞いをうるさく言い放ち続けた。
青年は鬱陶しいと思い、人形の電源を切るかのように、男の頭を2回打ち抜いた。
青年は仕事を終えて、自身のアジトであるアパートに帰宅し、
コートをコート掛けに脱ぎ捨て、テレビをリモコンで点け、
シャワー浴びるためなのか移動しながらシャツのボタンを外し、
洗面場で衣服を脱ぎ捨て、シャワーの栓を捻ようとした時、
「・・・街にて、マフィア同士による銃撃事件が発生しました。
現場における死亡者数は二桁に上る模様だそうです。関係各所は事件の現業を把握仕切れていません。
詳しい情報が入り次第お送りします。では次のニュースは・・・・・・」とニュース速報が流れた。
青年が今先、その場所で仕事を行ったと言うのに、
どこ吹く風かと言わんがばかりに気にしないでシャワーを浴びるのであった。
シャワーを浴び終え、着替え、ソファに座り、
レンタルビデオ屋で借りてきたであろうと思われる袋から適当にDVDを一枚あさり出し、
DVDデッキに流しこんだ後、青年は冷蔵庫に向かった。
冷蔵庫の中からレンジ式のピザと2ℓペットボトルのコーラ一本を取り出し、
ピザをレンジで用意して、近くに置いてあるすごく大きい袋のポップコーンも一緒に持って、
ソファに座り、食べながら宣伝から本編に移ろうとするDVDを見始めた。
食べ物を食べ終え、DVDの映画はクライマックスを迎えようとした時に、
青年の携帯電話の着信音がそれを遮った。
タイミングが悪すぎると機嫌を悪くしながら、青年は携帯電話を取った。
「もしもし、誰だ?」青年は今さっきの機嫌を押し殺して返事をする。
相手は落ち着いて淡々とした男の声で、
「魔導士協会日本支部長、善明栄月(よしあきら えいげつ)だ。君に依頼を頼みたい。」
そう答えた。
青年は仕事の依頼だとわかり真剣な口調で話す。
「依頼内容はなんだ?」
「とある人物の警護及び、その人物を狙う組織の壊滅の援助だ。」
「前金と報酬は?」
「1億ドル、そして報酬に3億ドルは出す。具体的な話は日本支部で話す。」
「前金が指定した口座に入金が確認出来次第そちらに向かう。」
「分かった、ただ一つ聞きたい事がある。」
「なんだ?」
「君の事をなんて呼べばいい?コルヴォ?クロウ?それとも烏田(からすだ)か?」
「よく調べたな。烏田でいい、日本での行動がしやすいからな。」
「分かった。では、待ってるよ烏田君。」
「ああ・・・。」
そして、電話は切られ烏田は携帯電話を近くに置き、終わりかけたDVDを止めて、
ソファに横になり瞳を閉じるのであった。