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午後5時

作者: シュウ

さきに謝っておきます。すみませんでした。

あと3分。


僕はいつものように仕事をしていた。

なんのへんてつもない日常。

最近、支社のほうから転勤してきた人がいたが、それ以外は特に変わったこともない。

今日も僕は普通に過ごしては定時で帰るように仕事を進めていた。


あと2分。


うちの会社の定時は5時30分だ。

それまでなら仕事をしていてもいいし、休憩も比較的自由だが、仕事量はきっちりとこなさなければならない。

いわゆるノルマというやつだ。

すでに僕はそのノルマを早めに終わらせて、他の作業に手を付けていた。

僕ぐらいのランクになると、通常業務に加えてさらに何かをプラスして、初めて昇給ということになる。

そのためにも毎日の通常業務をサクサクと終わらせる必要があった。


あと1分。


ふと時計を見ると、時計の針が午後5時を差す直前だった。

その時、支社から転勤してきた男が、なにやら落ち着かない様子でソワソワとしだした。

パソコンでプレゼンの資料を作りながら、その男を横目で見ていた。

視界の端でソワソワされると気になるのだ。

人間だからしょうがない。

すると突然その男が立ち上がった。


午後5時00分。


男はどこからともなく取り出した携帯食料の袋を手で素早く開けて、踊りだしたのだ。

その踊りには何か魔力のようなものがあるようで、他の社員達も立ち上がり踊り始めた。

例にもれず、僕のからだも勝手に動いてしまい、自分ではどうすることもできなかったが、だんだんと楽しくなってきてしまい、自分からからだを動かしたいと思うようになった。

そして男は美味しそうに携帯食料にかぶりついて一口食べた。

そして一言。


「ぼく、満足っ!」




1分後。


なにかに取り憑かれていたかのように踊っていたはずなのだが、何事もなかったかのように仕事をしている他の社員達。

さっきのは夢だったのだろうか?

しかし不思議とからだは何か得体の知れぬ満足感で満ち溢れていた。

なんともいえない感覚を不思議に思いつつも僕は仕事を続けた。

前書きにもありましたが、すみませんでした。

でも後悔はしていない!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 一本満足! バー 変わった職場の変わった人たち。余談ですがうちの職場は例え仕事中でも不意にあのアニソンに這い寄られますw
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