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「今日はイタズラに染まるハロウィンだ」

知り合いからお題を頂き、それにそってショートストーリーを書くっていうもので書かせて頂いた作品です。

ショートストーリーです。

楽しんでいただけると幸いです。


「きゃあ!誰!?こんなイタズラしたのは!!」


料理屋の女将さんの悲鳴を路地裏で聞いた僕らはハイタッチした。


「やったね!」

「イタズラ大成功!」


料理屋の勝手口に蜘蛛のおもちゃをいくつも吊るして女将さんを驚かせるイタズラだ。

女将さんに見つかる前に早く逃げなければ。

笑い出そうとするのをこらえて僕らは路地裏を駆け回る。

今日は楽しいハロウィン!どんなイタズラをしたって許される日!


「楽しいね、アイザ!」

「だね、マイク!次はどんなイタズラをしようか!」


僕の名前はマイク。双子の兄はアイザ。

二卵生の双子の僕らは容姿は似ていないが、とても仲良しで趣味が合う。

今年で8歳の僕らは街の大人でも手を焼く「イタズラっ子の双子」なんて呼ばれている。

路地裏を出て表通りに入ると、通りはハロウィンイベントの装飾で彩られていた。

あちこちから甘い美味しそうな匂いが漂ってきて、仮装している子供の姿も見える。

きゃっきゃとはしゃぐ子供たちとすれ違い、大人たちの間を縫って走り回る僕らを止めるのは誰もいない。

さて、次のイタズラのターゲットは誰にしよう、と大人たちを見定めながら走っていると、ドン!と誰かの足にぶつかってしまった。

反動で尻もちをつく僕をアイザが心配して駆け寄る。


「おや。私にぶつかったのはどなたでしょう?」


恐る恐る顔を上げると、カボチャのお化けを頭から被った大人がそこに立っていた。


「わぁ!かぼちゃお化けだ!」

「おじさん?のそれも仮装なの?」

「おじさん…。そうよばれても仕方ないか…」


ややしょんぼり肩を落としたそのかぼちゃ頭のおじさんは、自分をジャックだと名乗った。


「君たちも狼男の仮装、似合ってますよ。よければ、私と一緒にイタズラをしませんか?」


「え!?いいの!?」


「大人とイタズラをするなんて聞いたことないよ!楽しみ!」


それから僕らはいろんなイタズラを街の大人や自分よりも年上の子供たちに仕掛けた。

年下の子にはイタズラしないのが僕らのポリシーだって言ったらかぼちゃ頭のおじさんは了解してくれた。

楽しくて楽しくて、その日の夜はあっという間にふけてしまった。


「あー!楽しかったー!もう一生分のイタズラをしたって感じ!」


「ねー!ありがとう、おじさん!いいハロウィンの夜だった!」


「それは何より。そうだ。アイザくんもマイクくんも、この後、我が家にきませんか?とっておきのディナーをご馳走しますよ」


「とっておきのディナー!?」


僕らは目を輝かせて、かぼちゃ頭のおじさんの屋敷へついて行った。


「さてさて、今の世では珍しいイタズラ好きの子が来てくれました。この子らを連れ去り、新たな我が同胞といたしましょう」


ハロウィンの夜を騒がせたイタズラ双子は行方不明になり、毎年のハロウィンの日にはイタズラ双子の家には黒猫が二匹、やってくるようになったとか。

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