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ココアのように仄暗く甘く

こちらはわたしが適当に思いついた文章の羅列(題名)にストーリーを付けたらこんな感じかな、という作品になっています。

楽しんでいただけると幸いです

微かな衣擦れの音でハルトは目を覚ました。

ゆっくりと瞼を上げると、隣で眠っているはずの恋人がいなくなっていた。

布団から上半身を起こし、壁掛け時計を確認する。時刻は午前4時。まだ起きるには早すぎる。

薄暗い部屋の中で廊下から微かな明かりが漏れている。そして小さな物音も聞こえてきた。

恐らく、恋人のカズマが台所で何かしているのだろう。

しばらくして廊下から漏れている明かりが消え、カズマがマグカップを片手に寝室に戻ってきた。


「…ハルト?起きてるのか?」

「うん。お前が起きた気配で目を覚ました」

「それは…ごめん」


しゅんとするカズマにハルトは「別に大丈夫だよ」と微笑み返した。

マグカップの中身を気にして、ゆっくりと自分のスペースの布団に腰を下ろすカズマ。

彼の持つマグカップから仄かに甘い香りが漂ってきた。


「何持ってきたの?」

「ココア」

「ホット?」

「ホット」


ふーっとマグカップに息を吹きかけてココアをちびちびとココアを飲むカズマ。

ハルトはそんな彼を見つめ、それから布団から這い出し、恋人の体にもたれかかった。


「ハルト、危ないよ…」

「俺を寂しくさせたからお仕置。しばらくクッションになってて」


肩口に顔を寄せて後ろから抱きつくと、それ以上抵抗する気がなくなったのか、カズマは動かなくなった。

時折ココアをすする音が聞こえて、体がその度に動くくらい。


「カズマ」

「なに?」

「俺もココア欲しい」

「…普通に飲みたいの?」

「まさか」


くすくすと笑ってハルトはカズマの顔を手で手繰り寄せる。薄暗くても近ければわかる。

彼がどんな顔をしているか。彼の唇はどこにあるか。

ハルトはほんのりと暖かくココアの味がする唇に自身のそれを重ねた。


「…甘えたい気分なの?」

「正解。隣にお前がいなくて寂しかったって言ったろ?…甘えさせて」

「…ワガママなやつ」


呆れたようなため息をついて、カズマがマグカップをローテーブルに置いたタイミングでハルトはもう一度恋人に強く抱きついた。

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