雀の学校もとい雀のドリブル
知り合いからお題を頂き、それにそってショートストーリーを書くっていうもので書かせて頂いた作品を載せています。
お題は「雀の学校」です。
ショートストーリーです。
楽しんでいただけると幸いです。
玄関から出てすぐ目の前にある小さな畑は雀のたまり場になっている。
どうやら畑にいる虫や雑草の根を食べに集まっているらしく、家で静かにしているとすごい数の雀の鳴き声が聞こえてくることも。
学校から帰宅したら畑にいた20羽くらいの雀が人間の気配に驚いて隣の家の屋根に一斉に飛んでいく光景を見ることもしばしば。
畑は本当に小さい畝が六つある程度。そこに祖母がジャガイモや玉ねぎを育てていた。その畑のまわりに間隔を開けて椿、ツツジ、山茶花、紫陽花の木が植えられていて、花の季節になると美しく咲く。
祖母の関心は専ら花で、椿やツツジはよく手入れされていたが、畑の方はなおざりであった。
仕方ないので、私や弟が思い出した頃に畑に水やりしていた。
まぁ、そんな状態の畑だったので出来たジャガイモと玉ねぎは本当に小さく、調理するのも大変だった。
雀の話に戻ろう。花の世話が好きだった祖母が年相応にボケ初め、庭の手入れが思うように出来なくなり、畑の畝を潰した頃、雀の数が減ったように思えた。
恐らく、畑に撒いた除草剤の効果で雑草が生えなくなったからではないかと推測される。
けれどやはり虫は集まるらしく、これを食べに数羽の雀が頻繁に我が家の畑に来ていた。
この頻繁に畑に来る雀を我が家では「常連さん」と呼んで静かに見守っていたのだ。
我が家では前日仏壇にお供えされていたカパカパに乾いた米飯を庭に放り投げるのが習慣になっていた。
そのまま生ゴミになるよりも雀やカラスの餌になった方がいいだろう、と母が決めたことだ。
その日は母と一緒に朝食の準備をしつつ、仏壇のお供え物を用意していた時だった。
前述したカパカパに乾いた米飯を庭に放るために玄関を開けると、庭には待機していた「常連さん」がいた。
しかも人馴れしているからか、わたしの姿が見えても飛び去りもしない。むしろ、さっさと飯を寄越せと言わんばかりに「ちゅんちゅん」とかしましく鳴いている。
乾いた米飯を庭に放ると一斉に「常連さん」が群がり出す。自分の体の半分くらいの大きさの米飯をつついて転がし、転がった米飯を追いかけてまたつついて転がす。これを数羽で同じように繰り返していた。
しばらくその様子を観察していた私は、ふと動画投稿サイトに投稿されていた雀が餌をつついて転がし追いかける動画を思い出す。
「雀の学校、もとい雀のドリブル…」
頭をよぎった言葉の羅列に一人で吹き出し、私は朝食の支度をするために玄関を閉めた。




