収穫
諸君!!戦争の時間だ!!!
田んぼでは、黄金色の風が吹き、重すぎた稲穂が根本からおれて地面についている!!!今年はもうダメかと思った!収穫時期である!!
ここから農家という仕事は地獄と変わる。
ひいには、ひいというのは、方言なのだが、昔にはという意味なのだが、これを手で収穫していたわけだ。子供の手も重要な労働力であって、学校には稲刈り休みというのがあったほど。それほどまでに人間を酷使する過酷な労働は、しかし、今年の給料を決める重要な儀式であって、豊穣を期待する俺は、朝からしっかりと冷水シャワーで身体を清めて田んぼに行くという、汗も、厄も皆おとしてね、田んぼに入らねばならんのよ。
ただでさえ今年は雨が少なかったから。米の発育が全国で悪かっただろうて。幸いにも我が家の田んぼでは実入りも良く、後は無事に刈り入れを終わらせるだけなのだが、こっからが勝負。山んなかの鳥たちも今か今かと待ち望んだ収穫は彼らも必死であって、コンバインを動かすだけで頭上にはすり鉢状に飛び交う鳥たちの群れ!さながらハゲ鷲のように米を狙っているのだった。
コンバインは一度に5列分の米を収穫できる。同時に、収穫した米を乾燥させ、茎その他と分別して車への積込をすることができる機械であるが、ここでしまったと思う。今年は皆感染してしまったから軽トラで米を受けとる人がいない。
ガキィちゃんはダメだ。ガキだから。ダンゴムシ君は高校3年生で車の運転はできない。マスクさん(仮称)しかおらず、眠い目を擦らせて軽トラにのせ、やっとのことで山盛りの米を収穫できた。
8トンほどでしょうか。まあまあな収穫です。うちはほら、育ち盛りが多いから今年は沢山植えたのだ。ありがたい。一年は十分に持つことでしょう。
さらに仕上げとして餅米の収穫も行って、贅沢なことだ。ああ、今年も餅を仕込める。
家に帰って大神宮様と、氏神さまと、仏壇にご報告に行って、今年も無事にすんだわいという感じ。
「米持ってきたからよ!皆、今日は新米をつけましょうねぇ」
「農家さんって米農家だったんスか!?」
「なんだと思ってたんですか!?」
ま、他にもやっているのだが、やっぱり日本人、米であるので、この米を使っての物々交換をも考えているのだった。
今欲しいのは牛と新鮮な卵かな。すき焼きにしたら最高だと思うんだよね!!
ガキィちゃんはいつまでも田んぼに降りてくるカラスやサギを素手で捕まえようと頑張っている。おうおう頑張れ!ガハハハハハ!!!
古びたクーラーボックスから、良く冷えたサイダー缶を取り出して、やあやあ、やっと一仕事追えたわいという感じ。午後は藁を集めて燃やすかどうかというところ。
もうすぐ夏が終わる。皆帰ってくると良いが、どこかで食いっぱぐれてるんじゃ可哀想だな。




