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麻酔

「おちついてください。顔は再建できます」


 なんというか、事故は悲惨だった。彼女の顔は、目もあるし鼻も口もあったが、唇を欠損して、口角が目の下まで剥がれてしまうような大怪我を追っていた。


 残念ながら俺は、医者じゃない。農家だ。


「できる限りのことはしました」


 嘘だ。なんというか、周りの目があったのでそれとなく、できることをできるだけ、しただけにすぎない。


 さらには、モルヒネすらなかった。勿論、副作用や依存性のことを考えれば民間には売れない代物であるが、せめて、アドレナリンくらいあればと思うのだが、あれも民間には売っていない。


 せめて、シンナーでもマスクに摘下してやったらよかったか。あ、今からでもしよう。そうしよう!


 幸いにも俺は、プラモとか作るタイプなので、塗料の薄め液がシンナーであることを知っていた。


 この糞暑い夜であるから、十分に気化した芳香族は痛みを和らげてくれるだろうと思うのだが、何分見た目が悪い。シンナーはガラス瓶に入っているので、怖い。なんなら青いラベルに黄色文字でシンナーと書いてあるのだった。


 これを男が持ってるくのはどうなのだ?しかも20代のうら若き女性にだ。


「いやーまずいかな。うん。やめよう」


 お酒は普段飲まないので、調理酒を飲ませようかとも思ったが、調理酒風調味料しかなくて、あれ、これアルコール入ってたかな?


 うーん。分からん。


 ま、痛みは生きてる証拠であるし、抱えて生きてもらおうかな。俺も痛み止めは極力飲まないタイプだし。


 そんなことを考えていたら血を吐いてぶっ倒れたので慌てて、マスクつけてスポイトで摘下した。


 普通にこれも依存性があって、シンナーには油を溶かす性質がある。つまりは、人間の肺に入るとそれを溶かすわけであるが、嚥下せずに吸入できてかつ、痛みを紛らわしそうな物がこれしかなかった。


 シンナーは誰でも模型店でも買えてしまうだから絶対やっちゃダメなのだが、このときばかりは焦点の合っていないトロンとした目が救いだった。


 昔、点滴で麻酔できなかった頃はマスクに薬品を摘下して行っていたのだけど、あれはなんだっただろうか。クロロホルム?何か違う気がする。そういうの、作っておいた方がよい気がする。


 昔見たタイムスリップものの映画で医者が使っていた気がするのだが、なんだったのか……うーん。分からない。ネットの皆はどうかな?


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