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ガキィあらわる

「てか、まだサバゲーやってる? 装備融通して欲しいんだけど」

「やってないですねー。欲しいのあったら譲りたいんですけど、このご時世なんで……」


 俺は内心ドキドキしていた。背中にはじっとりと汗をかいて、心臓は口から出そうである。


 なぜならば、うちにはガキィちゃんがいるのである。

 しかも彼女は現在四足歩行を日常で行っていた。その方が楽なのだそうだ。俺はあんまり人に興味がないタイプなので、最初こそ驚いたものの、そういうものとして今は馴染んでしまった。


 そういう人間なのだ。俺が人を傷つけても心が痛まないように、彼女は別の方向で人ではなくなっている。


 その上、極度の人見知りで、ネット上のカメラを介した状態でもきちんと挨拶ができない位だった。


 だから家から出てこないとは思うのだが……。

 振り返るとそこには家の窓を開けて顔を出すアレの姿があった。


 ちなみに、髪の毛を切れと言っているのに切っていないので延び放題、お風呂もろくに入らないため脂ぎってギトギトとした前髪が顔にかかって鼻だけが髪の隙間から覗いているような状態だ。


 胃液でやられたのか、虫歯なのか、ギザギザに変形した歯が口からのぞいて、花島先輩は悲鳴を上げて車に閉じ籠った。


 ギュッ!ギュッ!と音がするので見ると、急いで引いたために引っ掛かったシートベルトに四苦八苦している花島先輩がいた。


 それを見てガキィはこっちに来たのでもうパニックである。

 落ち着かせようと花島先輩の車のドアを開けた俺はグーで殴られ鼻が冷たくなる。痛い。


 ガキィが俺の背中をロッククライミングした辺りで花島先輩は卒倒した。


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