火炎
なぜこんなにも素晴らしき世界で僕は我慢しなければならないのだろう。
世間体。陰口を言われるかも。そもそも殺しあいなんて資源の無題意外の何者でもなく、人が犯してきた罪のなかでももっとも忌むべきものだ。
相手を考え、相手の利益のために行動するのが正しい行動である。
誰が? 俺が?
めんどくさい。
という気持ちがあった。朝、起きるのが辛くて布団から出れないあの感じ。人の顔色をうかがって生きてきたこれまでの人生。それって糞じゃない?
そうだ。殺そう。もう、俺は人のケアをする必要はない。自分が好きなように生きて良いのだ。別に両手を繋いでゴールしなきゃいけない訳じゃない。そもそも俺は最初からゴールに立っているのだから。
最後の良心として、言葉での警告を行った。次に威嚇を行い、それでも動かないために、武力攻撃へと踏み切った。
コンプレッサーのサブタンクにガソリンと灯油を10対1で混ぜ、圧力0.8メガパスカルをかけて即席の火炎放射器とした。
タンクからホースを繋いで、先っぽにはエアダスター。左手に持ったバーナーで着火するおもちゃだ。
容量は10リッター。射程は8メートル以上。避けてみなよ。この地獄の炎を。
ガソリンに灯油を混ぜたのは延焼効果を狙ってのことだった。
ガソリンは瞬時に火がつくが、灯油は付きにくく長く燃える。これを混ぜることによって、高い熱量で持続燃焼する火炎を作り出した。
火が触れるとまず服が燃え上がる。酷い悲鳴だった。その剣幕に驚いて放射を止めると、真っ黒に焼けた手が鍵尻尾のように首をもたげて、顔の方に倒れていった。
その両目は沸騰するほどの熱量と痛みに見開かれ、真っ白に変色するほどだった。茹で玉子みたいだった。
無性にお腹がすいた。




