タイトル未定2024/10/16 19:04
10月16日曇り
今日は朝からどんよりとした雲が空をおおって今にも雨が降り出しそうな日だった。
ここ最近の異常な暑さで全く芽がでなかったホウレン草も、このじめじめとした気候と一気に冬になったような温度で芽を出してほしいものだ。
いつも仕事をするときはあっという間に時間が過ぎていく。物の5分くらいの感覚で時計を見ればもうお昼で、午後に一時間の昼寝をし、使い終わった道具の手入れをして1日が終わる。
今日は久しぶりに夜、お散歩に出掛けた。お散歩というには夜6時はすっかり真っ暗で、街灯のあまり無い田舎道では、月の光もまばら。まるで蓋を閉められた鍋の中にいるみたいだった。
雑草が生え散らかったレンガ模様の歩道は、なにも最近こうなったのではなく、感染が広がる前から手入れが行き届いていない。
その真っ暗な道をハンドライト1つ持って歩いていると、目の前から車が来た。
見慣れぬ乗用車は何かを踏んでべちゃべちゃと不吉な音を立てる。最初それは、赤い石ころのようだと思った。
しかし歩みを進めるうちに、その石ころはどんどん大きくなって側溝にもたまる程となった。
一番大きな欠片が抱えるほどの大きさになると、それは人の身体だと分かった。
真っ赤で新鮮な肉の塊が道の真ん中にぶちまけられていたのだ。
下半身は車に潰されて無惨にも薄っぺらになり、その生暖かい血肉が光を浴びてテラテラと怪しく輝く、そのさまこそが俺が見た赤い石の正体であった。
感染者の肉は腐り落ち、空気に触れることで酸化を起こし、茶色い色に変色するのが常である。
つまり目の前に転がる肉の塊は生きていた人間ということになる。
背筋を生暖かいものが這いずるような感覚になった。
それはついさきほど起きたように生々しく、その香りは、名状しがたい、生きたものの亡骸の匂いであった。
そしてそれをやった犯人は俺の生活圏にいるということになる。
無防備に歩いている場合じゃないぞ。いったいどこから来たんだろう。
見渡すと、道の先、少し落ち窪んだ駐車場に黄色い帽子を被った小学生の姿があった。勿論、感染している。
轢き殺した犯人は感染者と思ってそれをしたのだろうか。いや、違う。下半身には何度もタイヤで踏みつけた跡があった。それも、同じタイヤの跡である。
私怨か仲間割れか。恨みは深いようだった。




