ハートフルスイング
ネットの友達により、制服から学校が特定され、そこから学校新聞に掲載された名前と住所が特定された。新聞は学校の生徒が作ったもので親御さんへの配布が行われていた。
俺は命を狙われ、家の窓ガラスを割られている。結果論として死んでいないだけで命を彼らに狙われた。父母子に至るまでこの思いはぶちまけねばならん!
彼らは虐める側だった。楽しかったろうねぇ。自分よりも弱い相手をいたぶるのは。
今度は俺のターンなのだ!!
まず、少年Aの耳を切り落として封筒にいれ、女の子の友達に持たせた。ぐっちょりと音を立てて形を変える袋に顔がひきつる。
「友達でしょう。届けてあげてください。二人のどちらが届けるかは話し合って決めてください」
ハハハハ。ネット掲示板を見た親達からすごい勢いで、返して欲しいという意味の罵詈雑言が届いていますので、返すことにした。ただし全部とは言っていない。
彼らは恐怖した。そう。襲う相手を間違えた。この農家は普通ではない。
人が人の姿をもって最低限暮らしていけるように振る舞っているだけだ。
「何でって顔をしているね? 教えてあげよう。俺が皆に敬語を使うのは相手がどんな人か分からないからだよ。君たちも気を付けた方がいい。人間は色々な種類がいる。そのなかで僕はね、命とか魂とかに疎いんだ。」
「は? はへっ……」
「唯一理解できるのは相手の痛みなんですよ」
いままで虐められてきた過去があった。人と違うから。
上履きの中に、画鋲を入れられたことがある人はいるかな? 俺はやられたことがあるんだよね。その日のうちに、怪しい人全員の口に画鋲を箱ごとひっくり返して飲ませた。
うん。飲ませた。
俺が好きなのはそのまま受けたものを相手に返すっていうやり方だった。
この子たちはバットで窓を割ってきたので、今度は心の窓をバットで破壊されるのだ。ハートアタック。心って心臓にあるらしいよ。いえーい!パパ見てる~?
「えっ、ちょ、死にたくない!」
「わかる。俺も死にたくないです。ハハ!」
彼は学校で同級生を虐めていた。それも彼の同級生を名乗る人物からの連絡で知った。
やっぱりなぁ。臭いがするんだよ。ドブみてぇな最悪の人間の屑みたいな臭いだ。
この国にはむかつく法律があって、死んだ被害者は実名報道されるのに、どういうわけか未成年の犯罪者の人権は保証されている。いつまでも被害者は泣き寝入りだ。だからつけあがるのだ。
遊び感覚で人をいたぶる。そのまま大人になって社会でもそれを繰り返す。
そういうことをすると自分に返ってくるということを今から身をもって知れ。
ゴミはゴミ箱に入れられるのが道理ってもんだ。
内角から空に向かってホームランをかっ飛ばすイメージで!
振りかぶって!さあ力を込めて!
ぐぐぐっ、とためをつくって思いっきりフルスイングすると、ボコッ!って音がして彼の心臓は衝撃で停止した。
耳からの出血が少なくなったので多分、止まったと思う。
「さ、次はどっちにする?」
ゴミ掃除すると気持ちいいっすね!晴れやか!空が青い!
 




