高校生活開始!
5層まで到達し、ゴブリンを倒しつつ下へと続く階段を探していたが見つけるのに時間が掛かった。
二時間くらいか?休憩とかを挟んでいたから実際にはもっと短かったと思うが。
そしてじゃあ次の層へと思い階段を下りて・・・引き返した。
また草原だったからだ。
階段の位置は上の層の階段の位置関係を考えればすぐに見つかるとは思うが、流石にまた草原を歩き回るのは嫌だったのだ。
なので今日の探索はここまで。
あと明日は休みにしよう。何か疲れた。
『綺麗なのは良いけれど飽きるわね』
「花でもありゃねぇ」
『あら。昔みたいに花冠でも作ってくれるのかしら』
「今ならもっとちゃんとしたのやるわ」
『あら・・・』
そもそもいつの話をしているんだっての全く。
そして5層到達二日後。
「意外と早めに学校始まるのな」
『内部の魔物を倒せると判断したからでしょうね』
「当然の様に情報は出てないけどな」
情報として出てきているのはあの門に危険性は無いという情報だけ。
それ以外・・・魔物に関する情報は一切出ていない。
SNSで発信していたアメリカ人もあれ以来情報を出していない。そもそもSNS自体動いていない状態だ。
恐らく国に捕まったのだろう。もしくは別の要因か。
まぁそれは一旦置いておこう。今日から高校生だ。
正確には二日前からのはずだったんだけどな。
高校は家から近い位置の学校を選んだ。
制服で決めたいとかそういうのは無いし、偏差値的にも問題なかったからな。
ちなみに言っておくと俺の成績は可もなく不可もなく・・・とは言わないか、出来るよりではある。
グラディス曰く、私の使い手になら文武両道でなくてはねとのこと。
でもグラディスは古い時代の知識しか無いのでここについては自力でやった。
まぁ・・・お陰様で身に付きはしたよ。
とりあえず親に成績の事で文句を言われたことは一度もない。
「行ってきまーす・・・誰もいねぇけど」
『パン屋の方には行くの?』
「いや。今日は昼に帰ってくるからな。いらんだろ」
予め配られたパンフレットによると、入学式の後はガイダンスやってHRでお終いだそうだ。
本格的なのは明日から。つっても明日から一週間くらいは授業はしないそうだが。
家を出て自転車・・・には乗らず走る。
本来なら自転車で30分といったところなのだが、俺の場合は知った方が速い。
本気で走ったら10分で着く・・・が、流石に目立つので20分くらいに抑えておこう。
そしてこの登校時間にちょっとした鍛錬を行う。
『それじゃあ行くわよ。二倍で良い?』
「ああ。道に慣れてないからな」
『分かったわ』
体が重くなる。
グラディスが魔法で俺に掛かる負荷を2倍にしてくれたのだ。
これで活動することで走っているだけでもかなりの鍛錬になる。
普段は素振りとかやる時に3倍とかかけてるんだが、今回は初めての道だ。
入学式に遅刻は不味いのでちょっとだけ負担を軽減しておく。
家を出た瞬間から走り出す。
見慣れた景色から知らない景色までは割とあっという間だ。
「やっぱりこの辺うち以外パン屋無いよな?」
『商売するなら良い場所ね。駅からちょっと遠いのはネックだけれど』
「まぁ近所の人がパン買うって考えたらこれくらいが良いのかもな」
『あ、あそこレストランね』
「は?あ、ほんとだ」
慣れた土地だと思っていてもちょっと活動範囲から外れれば見知らぬ土地。
この瞬間が一番楽しい。俺は案外旅とか向いてるのかもしれない。
「そのうちお前の故郷にも行きたいな」
『・・・いや、何処なのかしらね本当に』
「おい古代人」
『大陸の位置が動いてるから全く分からないのよねぇ』
「聞いたこと無いパワーワードだった」
そうこうしているとあっという間に学校へ到着。
俺と同じ制服を来た人が増えてきた辺りで走るのは止めている。目立つからな。
「やっぱり親と一緒なの多いな」
『まぁ入学式だからね。でも良かったの?断って』
「今更親に見られたいことでも無いだろ」
『二人は残念そうだったけれどねぇ』
「来たかったら勝手に来るだろ」
というかグラディスが四六時中一緒にいるから親にそういうのを見てもらうって感覚が分からん。
ある種常に授業参観受けてるようなもんなんだぞ俺。
そう考えるとそこにさらに親が増えるって・・・ねぇ?
まぁ親心としては子供のそういう姿を見たいというのは分かる。
だから来たければ来るだろう。
それに写真だけなら多分問題ない。あいつの親はいるだろうし。
そんなことを考えていたら、学校近くの駐車場にいた。
「よっ。ちび二人」
「「誰がちびだ!!真人!!!」」
『双子ちゃんは相変わらず息ピッタリね』
「あ、おじさんとおばさんもお久しぶり・・・でもないっすね昨日店来たんで」
サイドテールが野乃子。ツインテール・・・いやこれはツインおさげ?の方が野乃花。苗字は相楽。
所謂ところの幼馴染という存在に当たる二人だ。
「あとこれは二つ結びね?」
「心読むの辞めない?」
「髪見て固まってたら分かるよ」
「あとそのやり取りもう五回目だよね?」
「・・・そうだったか?」
女子の髪型種類多くて分からん・・・せめてグラディスみたいに俺も知ってる髪型にしてくれたら。
ちなみにグラディスの髪型はその日の気分で変わる。
リボン結んで横に流したり、ロングだったり、くるくるだったりする。
『最初のがサイドテールよ』
「なるほど奥が深いな」
「全然深くないですよ?」
「真人って時々何言ってるか分からない時あるよね」
ちなみに身長は二人とも153cmらしい。双子ってそこまで同じになるのか。
二人がいたのならそのまま一緒に行く。
大体中学の時も同じだったしな。
ちなみに写真は撮れるって言ったのはどうせ双子と一緒に写真を撮るからだ。
おばさん経由で母に渡るのだ。
「それにしても真人君制服似合ってるわねぇ」
「そうですか?我ながら似合わないと思ってたんですけど」
「ワイシャツだけなら似合ってるよ」
「ブレザーが似合わないです」
「分かる」
「あらそう?」
おばさんはそういうがぶっちゃけ双子の言う通りだと思う。
別に俺が老け顔と言うわけではない。
ただグラディス式鍛錬のおかげで体が鍛えられている。
ガチムチではなく、機能美を求めた体にはなっているがそれでも体の良さが服越しでもすぐにバレる。
なのでブレザーを着ていると微妙に似合わない。
ワイシャツだけなら何故か似合う(グラディス談)
今双子にも言われたのでグラディスの贔屓ってわけじゃないのが確定してちょっと安心した。
そうこうしていると学校に到着。
割と新しめの校舎なので見た目は綺麗だ。
「倍率高いだけあるね」
「倍率ってそれも影響するのか?」
「え、するよ。知らなかったの?」
「近くて程よい偏差値だったから選んだだけだぞ」
「程よい」
「勉強しなくても入れるレベル」
「・・・ここ、60近かった気がするんだけど」
「今年に限っては越えてたって」
「真人君は勉強良くできるわねぇ」
「こいつらも出来るじゃないですか一応」
「「一応言うな!!」」
まぁ理系科目全滅してるけどな。
前日に教科書丸暗記させて模試と本試を超えさせた。
そんな感じなので・・・
「じゃあ宿題手伝わなくて良いな?」
「「・・・」」
「黙るなよ」
いい加減宿題くらい一人でやれよ・・・
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