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探索続行

数話纏めて投稿します

腹も膨れた所でその日の残りは情報収集に当てることに。

ダンジョンの中に潜っても良かったが、今の感じだと世間の動きを見ていた方が都合が良さそうと言う判断だ。


だけどあまり良い情報が入っては来なかった。

どこも混乱しているらしい。

というか発生した門はどこの国でも速攻で国の機関が封鎖しているようなのだ。

なので情報が入ってこないというか、そもそも出てこない。

何とか調べた情報は、中に警察なんかが入っているというその程度。

はっきり言ってあまり良い情報ではない。その程度なら最初から分かっているっての。


だけど一日経つと状況が変わった。

アメリカの方で門を発見したという男がSNSにある映像を投稿したのだ。

それは間違いなく、内部の映像であった。

しかもはっきりと分かる怪物と戦っている。

いやそれ自体は普通の動物なんだが・・・サイズが常識外れだ。


「ウサギじゃなくてコウモリだったな」

『門によって中の様子が違う・・・いや、階層の違いかしら?』


確かに門の形も大きさも違っていた。

SNSで上げられていた門の種類は全部で四種類。

山の中にあるのは一番小さい門で形も普通の門。

駅前にあるのは一番大きな門でいくつかのブロックが重なって出来たような形の門。


その違いで中身が違うってのはありえる。

でもグラディスの言った通り、階層がそもそも違うってのが正しそうだな。

この動画もこれがどこの何階とかは書いてないし。


そして今日改めてグラディスが駅前の門を見た結果、ある事が判明した。


「変形する?」

『何の意味があるのかは分からないけどね。恐らく門の入り口が上を向くようになるわね』

「何で上」

『さぁ』


その意味はさっぱり分からなかったけどな。何だ上を向くって。

しかも他の門はそういった様子は見られず大きな門にだけある特徴らしい。


「だけどまぁ。このままいけばもうちょいっと情報が出てきそうだな」

『そうね。しかし人間は恐れ知らずねぇ。魔力を感じられないからかしら』

「感じ取れたとしても中に行く人間は行きそうだけどな」

『無謀ねぇ。まぁあの程度なら何とかなるのだろうけれど』


SNSに上げられた動画では複数人でゴブリンを角材の様な物で殴っていた。

それでもなかなか死なずにいたため、かなりの生命力があるように見える。

まぁ実際魔力を持っている生物は基本的に生命力が強いんだけどな。俺とかそうだし。


「さて現在朝八時・・・本来なら登校の時間なんだが」

『入学式延期になったわねぇ』

「ほんとにな?」


門出現の影響は大きかった。

出現位置が人間の事情を考えていないようで、一部の門は交通網に影響が出る位置なのだ。

お陰様で、俺の高校生活が始まらなかった。

俺は歩きor自転車で行ける位置なので問題はない。

だがそれ以外の生徒は電車通学なのもいるわけで。

すると電車が止まっていると学校に来ることが出来ない。

結果・・・休みになった。ひとまず一週間ほど。


「急にポンっと湧いて出た暇な時間ですよどうするんだ」

『ならあのダンジョンに行きましょうよ』

「・・・そうするか」


もし一応線路上には出現していないので、ひとまず問題なければもっと早く学校も再開するだろう。

だが最低でも今日明日は休みなのは確定している。

そうなると・・・ダンジョンに行くしかないわな。


なのでやってきました山のダンジョン。

ここには野生動物何ていないので静かなものだ。

ああいや小さいのはいるか。小鳥とか。


「昨日と違いは?」

『・・・無いわね。どういうことかしら』

「は?ないなら平和なんじゃないのか?」

『そうでもないわ』

「ほう?」

『少なくとも駅前の門は変化があったもの』

「それ聞いてねぇけど?」

『あら?そうだったかしら。まぁどんまいよ』

「どこが?」


すっかり現代言葉に馴染みやがってこいつは。


グラディスの言う駅前門の変化とは、門の魔力の事だそうだ。

門からは内部から漏れ出ている魔力が微量にあるそうなのだが、それ以外にも門自体に蓄積している魔力があるそうだ。

その溜まっている魔力が、昨日に比べて増えていたそうだ。


『大体30日くらいで満タンになるんじゃないかしら』

「なったらどうなるんだ?」

『さぁ・・・でも変形はしそうね』

「家で言っていたやつか」


魔力が溜まり切ると変形する・・・いや何でだ。

駄目だな。現時点では分からないことが多すぎる。


ひとまずはこの中を進むことに集中する方が良いだろう。


『ウサギは・・・まぁ帰りに倒せばいいわね』

「肉の改修は必須かよ」

『魔石は大したこと無いから要らないからね』

「気に入ってんなぁ」


柔らかい肉が好みとは知っていたけどそこまで気に入っていたとは。

まぁ俺も良いとは思ったから回収するけど。


今日の目標は下に行くこと。

相変わらず昼飯としておにぎり(ウサギ肉巻き)を持って来ているのでぶっ続けて潜れる。

夕飯までだから大体18時30分までに戻れば良いだろう。

大体この1層くらいの広さならば最悪でも10層までは軽く行けると思う。

階段が直ぐに見つかればもっと行けるだろうが。


「んじゃ行くか」

『えぇ。武器は投げないでね?』

「分かってるよ」


1層は走って抜ける。階段の位置は覚えているので無駄に探索する必要もない。

2分程で階段まで着くのでちょっとした準備運動のようなものだ。


『下の方が魔力が濃いわね。恐らく魔物の強さも上のはずよ』

「あのウサギの10倍強くても余裕だろうよ」

『まぁそうね。感覚的には絶対そこまでいかないくらいしょうね』

「油断はしないけど、そこまで気を張らんでも良いだろう」


階段を下りても景色は変わらず。相変わらずの洞窟内部。

魔力の濃さも俺では言われないと分からない程度。

正直この程度なら誤差とも言える。


そして二日目にして何となくここに慣れてきたのか。

相変わらず魔力探知の範囲は狭いが精度はかなり元に戻って来た。


「・・・いるな。ちょいと大きめか?」

『けどやっぱり弱いわね。ウサギよりは強いのでしょうけれど』


階段付近には何もいないが、10m程離れると何かいた。

やっぱり入り口の近く何かには魔物は寄ってこれないようになっているようだ。


でもせっかく見つけたのなら顔は拝んでおこうとそちらの方に向かう。

そこにいたのは・・・


「ネズミ?」

『ウサギより美味しく無さそうね・・・』

「そこか?」


ウサギのそれより大きな牙とか目に入らん?入らんですかそうですか・・・


体の大きさ自体はウサギとあまり変わらないように見える。

保有魔力は多いみたいだが、それも大した差ではない。

恐らくこのまま前みたいに剣投げるだけで倒せるだろう。


「周囲にいないし投げるか」

『走ってないしそれで良いんじゃない?』


決まったのでほいっと剣を投げる。

ウサギと同じように回避も出来ずにネズミに剣が突き刺さり消えた。

残されたのはあのデカい歯と魔石だった。


『さ、下に向かいましょうか』

「ドロップ品無視かよ」

『何の役に立つのよ歯なんて。魔石もあの程度ならいらないわ』

「へいへい」


まぁ無駄な荷物を増やさないというのは俺も賛成だ。

俺が持ち帰っても観賞用にしかならなさそうな物を持ち帰っても意味無いし。


なので落ちた物は無視して先へ進む。

迷路のようになっているから気を付けないと迷いそうだが、まぁそこは魔法がある。


「方向確認の魔法だけで良いか」

『十分でしょう』


東西南北の方向を確認するための魔法だ。元々は船乗りの為の魔法らしい。

それを使用しながら2層を走る。

1層の階段の位置を考えながら、魔力探知も使いつつ辺りを確認する。

ずっと続けていると、大体20分ほどで下へ続く階段を発見した。


「位置的には1層の階段の真逆の位置か?」

『これが分かれば次からは楽が出来そうね。洞窟のままならだけれど』

「ダンジョンってくらいだから途中で変わりそうだな」

『変わってくれないと飽きてしまいそうね。ずっと土の壁なんだもの』

「それは同感」


さて、行けるところまで行ってみるか。

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