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第9節【猫の悪魔ニャガマフィン】



「先程のご無礼をどうか、お許しください。聖女さまを大切な客人として、丁重に向かい入れたく存じます」



 (ひざまず)くロインの本心までは解らないが、とりあえずは争いを回避できた。

 安堵に胸を撫で下ろそうとした時、何かに掴まれてわたしの身体から重力が消えた。



「――リラッ!」



 悲鳴を上げながら、ラスタの叫び声が聞こえてきた。



 何が起きているのかが、解らない。視界から景色が、物凄い勢いで流れていく。

 わたしを追い掛けるラスタの姿が、ゆっくりと消えていった。

 どうやら、わたしは連れ去られているようだ。



 一体、だれが?



 まったく事態が、飲み込めなかった

 どうすることも出来ずに、わたしは連れ去られていった。





   ●





 しばらくして、わたしは解放された。

 わたしの目の前には、大きな白い猫がいた。ピンク色がまだら模様に入った猫が、わたしを(さら)った犯人のようだ。




「アチキはラガの悪魔 ニャガマフィン Mi luvロブ yu にゃがにゃが 粋なruffinラフィンな ニャガマフィン ラガラガで labaラバ-labaラバな raggamuffinラガマフィン




 突然、ラガを始める巨大猫の名は、ニャガマフィンというらしい。

 どうやら、敵意はないようだ。




「〝R〟〝I〟〝R〟〝A〟 Mi NameネムRIRAリラTingティン-Ring aリンガ LaLaLa ニャガマフィンとのSessionセッション 刻むぜ Mi SOULソウル




「にゃにゃにゃにゃにゃにゃはっ!」



 わたしもラガで返事をしてあげると、ニャガマフィンは嬉しそうに返してくれた。



「にゃにゃにゃにゃにゃにゃはっ! にゃにゃにゃにゃにゃにゃはっ!にゃにゃにゃにゃにゃにゃはっ! にゃがにゃがなラガ リディムがなくても 乗せるダンスホール 上げるGun Shot だから身体 揺らして にゃ~が にゃがにゃが ニャガマフィン!」



 歌詞(リリック)は変わっているが、わたし的にはニャガマフィンのフローは好きなやつだ。



「ニャガマフィン にゃがにゃが Yahヤー manマン!」



 拳を差し出すと、柔らかな肉球を差し出してきた。

 胸が、きゅんとした。



「ニャガマフィン、かわいいっ~!」



 気付けば、ニャガマフィンに抱きついていた。



「にゃはっ。ニャガマフィン、かわいいっ!」



 どうやら、ニャガマフィンもご機嫌なようだった。



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