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魂の砂漠~聖女も悪魔も恋してる。ラバダブみたいな、熱い恋しちゃってる!~  作者: 81MONSTER
【ラスタの書】第2章
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第9節【奴隷と麻薬の街ブルバイ】



「本当に、ここで大丈夫なんですか?」



 街に入るなり、リラが不安げに問う。

 その疑問は、無理もなかった。



 この街は奴隷制度が、()かれている。一部の富裕層が、奴隷を働かせて至福を肥やしている。金がなければ、ここでは真面(まとも)に生きていけないんだ。そしてここでは、麻薬が蔓延している。



 その辺の路地で、普通に麻薬を吹かしている連中がいる。なかには奴隷を、薬漬けにしているものまでいる。基本的には、ここの連中はイカれている。


 この街では、金次第ではなんでも手に入る。




「聖女がこの街に、なんの用だぁ~?」



 薬でラリった男が、こちらにヤジを飛ばしている。



「お前さぁ。俺達が誰だか解って、言ってんだろうな?」




 ハンが笑みを(たた)えながら、問い掛ける。


 この街では、俺達の名は知れ渡っている。滅多(めった)なことでもない限りは、争いにはならなかった。



「解ってるてぇ。別に、あんたらに喧嘩、吹っかけるつもりはねぇ」



 恐怖の色を浮かべながら、男は弁明する。


 薬の勢いで言ったのだろうが、正直なところは腹が立った。



「解ってんなら、絡んでくんなよッ!」



 三白眼で睨みつけながら、ガゼルが叫んだ。



「悪かったってぇ……」



 狼狽(うろた)えながら、必死に謝る男を無言で睨み続けるガゼル。



「あんまり、(いじ)めるなよ。揉めごと起こすと、あとが面倒だ。それより、ロインのとこへ早くいこう」



 ハンが、ガゼルの(そで)を引いた。それでもまだ、睨んでいた。曲がったことが大っ嫌いで、頑固なのが良くも悪くもガゼルらしいところだ。

 ロインとはこの街の領主で、ラガをこよなく愛している。


 専属のセレクターやディージェイを、何人も抱えている。この辺でレコーディングができるスタジオを持っているのは、ロインぐらいのものだ。

 以前にロインを厄介事から救ってから、非常に気に入られていた。性格は最悪だが、俺達の持つコネのなかでは、もっとも大きいものだ。利用できるものは、何だって利用させてもらう。



「――大丈夫。何が在っても、君は俺が守護(まも)るから」



 不安そうなリラに、優しく笑いかけた。



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