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魂の砂漠~聖女も悪魔も恋してる。ラバダブみたいな、熱い恋しちゃってる!~  作者: 81MONSTER
【ラスタの書】第2章
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第8節【DUB録りに行こう】



 朝早くに目が()めると、リラが目覚めていた。



「……あ、おはようございます!」



 既に日が昇り始めているので、気温は急激に上昇している。



「ずいぶんと、朝が早いんだね?」


 まだ皆、夢のなかにいた。



「普段から、この時間にはお祈りさせられてたから……。本当は、それが物凄く、ものすごぉ~く、嫌なんだぁ!」



 そう言って笑う彼女が、可愛らしかった。


 ラサとは対照的な笑顔が、そこには咲いていた。



「よっぽど、嫌だったんだね」


 笑顔を返して、応えた。



「うん。皆が、わたしこのことを、聖女として強要してくるんだもん。嫌になっちゃう!」



 それについては、同感だ。


 月瞳(ムーン・アイズ)を持っているから、聖女として生きなきゃいけないのは、はっきり言っておかしかった。


 裏を返せば、聖女として死ねって言っているようなものだ。そんなの納得できやしない。リラもラサも、俺にとっては一人の女の子だ。死なせたくはない。



「ザイオンには、俺も行くことになったから。これから、よろしくな」



 俺の言葉を聞いて、意外そうな顔をしている。



「ありがとうございます。……でも。本当に、良いんですか?」


「良いさ。君たちの運命は、俺も無関係じゃいられない。それに――」



 続きを言いかけて、言葉をつぐんだ。



「それに?」


「いや、何でもない。朝飯を喰ったら、近くの街でDUB(ダブ)()りに行く」


DUB(ダブ)()り……ですか?」



 リラは、良く解っていないようだった。


 ラガには、DUB(ダブ)と言う概念(がいねん)が存在する。


 オリジナルの曲を、本人が別のリディムに乗せて歌うことをいう。それ専用の歌詞に作り変えて、歌うのだ。



 【ラガの魔法(ラガ・トゥ・ザ・マジカル)】のラガを、蓄音骨に乗せてベルセルクで行使(プレイ)する。そうすることで、これからの戦闘を優位に運ぶことができるだろう。



「行けば解るよ。それよりも、皆を起こそう。ほっとくとこいつら、昼過ぎまで寝てるよ」



 皆、夜更かしが、大好きだからな。ひどい時は明け方まで、どんちゃん騒ぎをしている。まぁ、俺も人のことは言えないが、流石に昨夜は早めに寝た。


 これ以上、情けない真似はできねぇ。もう、誰かに護られるのは御免(ごめん)なんだ。


 今度こそ、ラサを守護(まも)るって誓ったんだ。


 死んでも果たしてみせる。




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