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魂の砂漠~聖女も悪魔も恋してる。ラバダブみたいな、熱い恋しちゃってる!~  作者: 81MONSTER
【ラスタの書】第2章
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第6節【蛇の悪魔アスクレピオス】



 燃えながら、アスクレピオスは笑っていた。


 炎の熱を、全く意に介していない様だった。そもそも何故、アスクレピオスが悪魔を率いているのかも、不思議であった。



「お前の力は、その程度なのか?」


 次第に炎の勢いが、弱まっていく。



「俺は、悪魔の力を手に入れた」



 焼ける皮膚が、全く異なる形で再生されていた。爬虫類を思わせる鱗が、アスクレピオスの全身を覆っている。一体、何が起きているのかが解らなかった。


 焼ける手で、首を掴まれていた。


 呼吸を妨げられて、苦しくなった。



「素晴らしい力だとは、思わないか?」


 首を絞める力が、強くなっていく。



「貴方の目的は、私でしょう?」



 前に出るラサが、手をかざしている。


 膨大な魔力が、ラサを包み込んでいる。


 乱暴に投げられて、地面にぶつけられた。



「素晴らしい力だな。聖女よ、お前のその目が、我々には必要なのだよッ!」



 アスクレピオスも又、強大な魔力を有しているのを感じた。


 互いの手のひらから、魔力の光が(ほとばし)っている。それらがぶつかり合って、弾けようとしている。


 両者の力は、拮抗(きっこう)している様だった。



「残念だなぁッ――俺とは、遊んでくれないのかぁッ!」



 ――突如、ガゼルの叫び声と共に、巨大な炎の塊がアスクレピオスを襲った。



 派手に吹っ飛びながら、大爆発が起きている。


 熱を(はら)んだ爆風に煽られて、身体が揺れた。ガゼルの魔力量は、本当に規格外だった。



「どうやら、邪魔が入ったようだな。今日のところは、引き上げさせて貰うが……次に()う時は、絶対に逃がさない」


 全身の皮膚が、ひび割れていた。



「あぁ――それと、ラスタぁ~!」



 蛇のように陰湿な視線をこちらに向けて、不気味に(わら)うアスクレピオス。


 背筋に、寒気が走った。



「お前だけは、必ず殺すから……覚悟して、待ってろよぉッ!」



 異常なまでの執着というか、執念のようなものを感じた。


 闇と同化するように、アスクレピオスは姿を消した。



「お前ら、大丈夫か?」


 ハンが駆け付けてきた。


「まずは、ベースキャンプに戻るぜッ!」



 いつの間にか、葉巻に火を付けているガゼルが叫んでいた。



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