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魂の砂漠~聖女も悪魔も恋してる。ラバダブみたいな、熱い恋しちゃってる!~  作者: 81MONSTER
【ラスタの書】第2章
32/48

第4節【アスクレピオスの襲来】



 ベースキャンプから、ワジに沿って歩いていた。

 ラサの歩幅に合わせながら、そっとラサを見ると目が合った。



「何だか、変な感じですね」



 恥ずかしそうに笑いながら、ラサは立ち止った。


 遠くに喧騒を感じながら、向き合うとラサが微笑を浮かべている。月明かりに照らされた瞳の奥には、月瞳(ムーン・アイズ)が浮かんでいる。



 ――月瞳(ムーン・アイズ)を持つものは、二十歳を迎えると世界の救済と共に、命を失うと言われている。



 絶対にラサを、死なせはしない。

 幾度となく誓った想いをいま一度、心のなかで反芻(はんすう)する。



「誕生日、おめでとう。皮肉じゃなくて、心から祝わせて欲しいんだ」



 ラサが聖女であろうが、悪魔であろうが、俺には関係ない。

 ただ好きな女の子を、護りたいだけだ。


 俺は彼女に、救われた。命だけじゃない。絶望の闇に、光を与えてくれたんだ。

 ラサのためなら、俺はいくらでも強くなれる。



「ありがとう、ラスタ。笑わないで、聞いてくれますか?」


 何処か寂しそうに笑うラサを見て、無性に切ない気持ちが込み上げた。



「ずっと、夢を見てたんです。同じ夢のなかに、ずっと貴方を感じていました。今日、ラスタに出逢(であ)えて、それが確信になりました」




 そこには、五年前から変わらないラサがいた。

 まっすぐで、不思議な光を内に秘める彼女は、俺の知っているラサだった。


 記憶を失っても尚、彼女は変わっていなかった。




 ――折角、二人で話せたのに、野暮な(やから)が現れた。




 闇の隙間から、悪魔が姿を現した。一、二、三……と、次から次へと現れて来やがる。



「バビロン野郎は お呼びじゃねぇぜ SOUNDソンBWOYボイは引っ込んでな ぶっ飛んで Bombボム Bombボム deディ FIREファイア



 【ラガの魔法ラガ・トゥ・ザ・マジカル】で生み出した火炎の玉に、数体の悪魔が吹き飛んでいった。


 この程度の数なら、そう時間も掛からないだろう。

 腰に提げた湾刀(ダーブ)を引き抜いて、悪魔に斬りかかる。



「久しぶりだな、ラスタぁッ!」



 不意に掛けられた声に、憎悪の記憶が蘇る。

 この声の主を俺は一生、(ゆる)すことは出来ない。かつて俺から、大切なものを奪った男だ。この男の裏切りは、絶対に(ゆる)さない。


 殺意の籠った斬撃を、湾刀(ダーブ)で受ける。



「ぶっ殺してやるよ、アスクレピオスッ!」



 叫びと共に、怒りが噴出した。


 闇夜を照らすように、俺は全身に炎を宿した。



《SOUNDBWOY》ソンボイ

ひよっこの意

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