表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂の砂漠~聖女も悪魔も恋してる。ラバダブみたいな、熱い恋しちゃってる!~  作者: 81MONSTER
【ラスタの書】第2章
31/48

第3節【Rub-a-dab TIME】



 どんな時でも、記憶のなかのラサは笑っていた。

 落ち込んでいるラサを、俺は見たことがなかった。



「一つに繋がるこのリディム 乗せる爆音 ラガ男児!」



 ガゼルの叫びが、夜に木霊(こだま)している。

 ラサは楽しそうに笑っていた。



「皆で歌い 皆で叫ぼう この音楽で一つになろう!」

 いつの間にかグラスを(あお)っていたハンが、ハミングを始めている。



「共に笑い 共に泣く 俺らは夜に 愛を込める」

 ゆっくりと歩みながら、ハミングを続けるハンの後をついていく。



ONE(ワン) WAY(ウェイ)ONE(ワン) WAY(ウェイ)ONE(ワン) WAY(ウェイ)!」

Wi(ウィ) a() entertainer(エンターティナー)



 ガゼルの後に続けるハン。語尾をこれでもかというぐらい伸ばして歌っている。



ONE(ワン) WAY(ウェイ)ONE(ワン) WAY(ウェイ)ONE(ワン) WAY(ウェイ)!」

Pon(ポン) di(ディ) border(ヴァーダー) 夜を超えて灰になる」



 笑みを浮かべて、俺も歌い始めた。



SHATTA(シャタ) ra() ta() shutout(シャタアウト) バビロンは SHA(シャ) TA() TA()



 ゴンフィンガーを天に向けている。

 ラサは楽しそうに踊っている。俺と目が合って、ゆっくりと近づいてくる。


 自然と心拍が跳ね上がるのを感じたが、構わずに歌い続けた。



「ラスタが 打ち抜く こめかみ Barn(バーン) up(ナップ)!」


 俺の後にハンが続けていた。



「ねぇ」



 ――不意に。


 ラサが声をかけてきた。



「二人ですこし、話さない?」



 遠慮がちにではあるが、こちらを見上げるラサがとても可愛らしかった。

 以前までは、お互いに気兼ねなく話せる仲であった。だけど今のラサは、記憶を失っている。


 変に意識しているせいなのか、めちゃくちゃ緊張してしまっていた。



Ban(バン)Ban(バン)Ban(バン)!」



 ゴンフィンガーを掲げながら、ラサは叫んでいた。

 面喰っている俺を見て、めちゃくちゃおかしそうにラサが笑った。



「私だって、緊張してるんだから。ちゃんと、リードしてくれますか?」



 急に真顔になって、こちらを見つめるラサが綺麗だった。


 不謹慎だが、そう思ったんだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ