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魂の砂漠~聖女も悪魔も恋してる。ラバダブみたいな、熱い恋しちゃってる!~  作者: 81MONSTER
【ラスタの書】第2章
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第2節【Dance inna moon】



 ずっと、ラサを探していたんだ。


 自分の不甲斐なさを、毎晩のように悔いていた。だからこそ、俺は強くなろうとしていた。ずっと、強さを求めている。




 ――ずっとラサを、求めていたんだ。逢いたかった。




 五年間もの年月を、俺は彷徨(さまよ)い続けていた。何処(どこ)へ行こうとも、ラサを探し求めていた。ようやく再会できた今日――ラサは記憶を失っていた。俺のことを、微塵(みじん)も憶えていなかった。



 確かにショックだったが、それ以上に俺は困惑していた。リラの存在も驚きだったし、何よりも残された時間が僅かしかない。どうしようもなく、焦っている自分がいる。


 そんな中で、ラサの歌声が聴こえてきたのだ。



Dance(ダンス) inna(イナ) moon(ムーン) 月明かりに浮かぶ声に 私の心は踊るの」



 優しい弦楽器の()が、ラサの美しい声に触れている。

 柔らかなリディムが、ゆっくりと月を駆けている。心がどうにも、(ざわ)めいている。



Dance(ダンス) inna(イナ) moon(ムーン) (ほの)かに香る風に 貴方の面影を感じているの」



 ラサの視線と交わり、心が揺れるのを、(たし)かに感じていた。

 打楽器の力強いテンポが、ラサの輪郭を浮かび上がらせていくようだった。



「ねぇ 月が私を見つめているの」

 どうしようもなく、ラサが気になって仕方がない。



「ねぇ 私の心はどこを見ているの?」

 どうしようもなく、ラサを求めているんだ。



「解らないの」

 おぼろげな瞳の奥に、確かな光を感じていた。



「解らない――解らないから 私は歌うんだ」



 ――(りん)。と、透き通った力強いラサのハミングが、月のように夜を照らしていく。


 ラサの声に呼応するように、皆が楽器を演奏していく。弦楽器や金管楽器の音が、絡まり合いながら小気味の良いリディムを紡ぎ出していく。



Mi() luv(ロブ) yu(), Pon(ポン) de(ディ) riddim(リディ) inna(ミィナ) dancing(ダンシン) to(トゥ) Night(ナイト) 闇を(まと)った ONE(ワン) Hand(ハンド) GUN(ガン)



 ゴンフィンガーを掲げて、ラサは(たの)しそうに笑った。



SHATTA(シャタ) TA() TA() 撃ち鳴らす Bombo(ボンボ) claat(クラッ)!」


 踊りながら歌うラサが、とても楽しそうだった。


COME(コン) DOWN(ドン)に乗っかるこのフロー 皆で乗っかれ Rub(ラバ)-a-dab(ダブ) TIME(タイム)



 ラガが皆を一つに繋げるんだ。



ONE(ワン) WAY(ウェイ)ONE(ワン) WAY(ウェイ)ONE(ワン) WAY(ウェイ)!」


 バイブス野郎のガゼルが、最初に乗っかってきた。



 月夜のダンスホールの中、ラバダブが始まったんだ。



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