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強制幸終劇

作者: 嘩月
掲載日:2009/10/28

ありふれた 愛情表現 彼と私の熱帯夜

熱く 熱く もっと私を溶かして


息が出来なくてもいい もう少しだけ私の口を塞いで

眩暈が起きる程に



囀りが今 私と彼を 今日と言う日に誘うの

必ず私が先に起きていた



引き裂かれた 幸せ

私の躯はもう 枯れている


彼の手を握る事も 彼と歩く事も

あの日さえ無ければ ずっと……


幸せでした 幸福でした どうして「〜でした」ばかりになってしまったの?


どうせなら この枯れた躯ごと 私を消し去って欲しかった





もう止めて 窓から見える 一面の桜

思い出が 胸に突き刺さるの


だから消して 窓を閉めて

どうせなら 私から全て奪って



痩せ疲れた彼の顔 「大丈夫」と手を添えるの


その手さえ握れない 枯れた筈の目からは涙



どうか瞳に映る今が 嘘だと茶化して見せて お願いだから……





ずっとずっと愛し合うの?

そんなの彼には辛いでしょう


痛くて苦しくて でも躯は感じなくて

私が泣かずにいれたのは もう狂ってしまったから?


「あの日さえ無ければ」 鬱羅鬱羅と繰り返す

惨劇の幕は 今 開いたの? 閉じたの?


鈍い光を放つ アレに瞳は魅せられて……





私を殺して 壊れきってしまう前に

どうか彼の持つナイフで私を……



そうすればきっと 彼の側で笑って 泣いて 怒って


ずっと隣を歩いて行くの

彼を後ろから抱き込むの



だから私 今ならあの桜を 愛せると思うの

だから早く……



今度は彼が 「あの日さえ無ければ」 落胆した様に言うの





部屋には少し紅過ぎる 桜が舞い散って

光を失いだす私の瞳

これで大丈夫 彼の側に何時までも


暗く 暗く 見えない光

冷めている 私の躯



薄れ行く意識の中で 瞳が微かに捉えたのは



彼の背後に佇む 知らない女の歪み壊れた笑み………

強制幸終劇

(きょうせいこうしゅうげき)



眩暈めまい


囀り(さえず)り



鬱羅鬱羅

(うつらうつら)

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