どちらも変わらない
本当の世界なら
もう少しだけそばにいさせてと
声にならない声を思いっきり出してみたいけど
これは仮想の世界なんだと
こころのどこかで分かっていた
いつか誓った言葉は
いつのまにか、スルリ
腕組みを一瞬ゆるめた、その隙間から
ヒラリと落ちていく
途中、気まぐれな風がさらっていっても
見て見ぬフリをする
この世界は現実ではないよと
誰かのささやきを待つばかり
きっと、どこかの世界で
楽しんできたのに
遊んできたのに
自分が不利だと分かったら
仮想の世界にしがみつく
甘えたフリをするのも
雨にふられ、凍えるフリをするのも
器用なフリをするのも
本当の世界なら
とても上手にはできない
だけど、
本当の世界でも
仮想の世界でも
あなたの笑顔に返すだけのものは
どちらも変わらない