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見た目いじめられっ子の俺は喧嘩売られたので反抗してみた  作者: たかしろひと
第3章 続・だらだら日常編(波乱あり)
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職場の人間関係を引っ掻き回す新人パートに反抗してみた1

 バイト先のスーパーにて。

 従業員用の裏口から入って休憩室兼更衣室に入ろうとした時、高平が店内を見渡せる位置で腕を組んでいるのが見えた。

「お疲れ様です」

「ん? おお」

「何やってんだ?」

 奏介はすぐに素に戻って問う。

「おい、サボってんだろみたいな目で見るな」

「何も言ってないだろ。で?」

「三日前に入ったパートいるだろ?」

「ああ、四十代の人?」

 主婦だそうで、子供は中学生くらい。ぼちぼち、手がかからなくなってきた頃合いなのだろう。

「あぁ、なーんか怪しいんだよな」

「怪しい? 小川さんが教育係だっけ」

「見てみろ」


 客が途切れたのを見計らってレジを教えているらしい。ここからでも会話が聞こえてきた。

「あのー、ぜんっぜんわからないんですけど」

「え? あら、ごめんなさいね。教えるのが下手で」

 新人パート近江おおみサエコはため息をついた。小川さんが申し訳なさそうにしているが、近江の態度がとんでもなく悪い。


「な?」

 怪しいの意味はなんとなく分かった。やる気がないのだろう。

「うーん。お前がましになってからは良い感じなんだけどな」

 現在の職場の人間関係は良好だ。女性が多いものの、陰口悪口もほとんどない。愚痴はあるだろうか。

「何気にオレをディスるんじゃねぇっ、今は関係ないっつの」


 高平の勘は当たった。

 日が経つにつれ、近江の態度は大きくなるばかり。

 代わる代わる先輩パートが仕事を教えたが、分かりにくい、教え方が下手、何言ってるのか分からないなどと困らせた挙げ句、仕事をサボりまくる。

 しかし、バイトの葉堂ようどうマヤには態度を軟化させる。元迷惑客のおじいさんに絡まれていたバイトの女の子だ。気が弱いが、仕事はしっかりしている。しかし、近江と話すようになってからは一緒にサボリ始めていた。どうやら近江が、強引にサボリの誘いをして巻き込んでいるようだ。

 さらに小川さんや他のパートの悪い噂を流すなど、やりたい放題、文字通り、この職場を引っ掻き回された形だ。


 とある日、休憩室に入るとテーブルで近江と葉堂が談笑していた。

「でね、旦那が勘違いして言うからおかしくて」

「そうなんですね、仲良くて良いですね」

 葉堂は困ったように笑いながら相手をしている。

「そ、そろそろ店に戻らないと」

「えー? いいじゃない。今、品出しやることないし。他のバイトにやらせとこうよ」

「うぅ、でも」

 強引に引き止め、雑談を続行。葉堂はサボらせられているという感じ。

「ん? 何見てんの? セクハラで訴えるよ?」

 イラッと来た。

「セクハラ? 近づいてもないし、喋ってもないのにいきなりなんなんですか。逆セクハラで店長に言いつけますよ。言いがかりつけて、セクハラとか言いだす女性って怖いですね」

「そういうの、パワハラって言うんだけど? 菅谷君だっけ? もうちょっと考えて発言しなよ」

「……」

 ニヤニヤと笑う。

 奏介は無言で更衣室へと入る。

「言いがかりつけられて最悪っ。ね、そう思わない? 葉堂さん」

「あーえーと……」


 奏介は更衣室の戸を閉めて、口元に笑みを浮かべた。

この話はフィクションですが、後から入ってきて、円満だった職場の人間関係をこれでもかと捻れさせる方、いるんですよね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 自分は他の人より優れてると勘違いでもしてるのかこのオバンは。正直なところ新人が偉そうに誰々は下手とか、誰々の教え方は悪いとか。同じ職場の他の人たちは新人の分際で何を偉そうにしとんねん!!と思…
[良い点] 一瞬とはいえ菅谷にレスバで勝ったぞ!? これは逸材ですねぇ!!
[良い点] 焦らしが上手いなぁ…w [一言] なんか、上手いこと言ったみたいなこと思ってるんだろうけど、論破しやすそうですね(笑) 奏介〜、態度を改めさせるとかそんなのいいからクビにしちゃってぇ〜
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