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見た目いじめられっ子の俺は喧嘩売られたので反抗してみた  作者: たかしろひと
第3章 続・だらだら日常編(波乱あり)
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~番外編~ 137部おまけ 姫とハナの攻防

 姫は人気のない非常階段にハナを連れ込んで、体を押して壁に背中をつけさせた。

「いたっ! 一体何」

 そして壁ドン。

 姫はハナに顔を近づける。彼女の表情が強張る。

「ねえ、一体何様なの?」

「は? あんたこそ何様よ。勝手にうちの家庭に口出してきてさ」

「うるさい」

 姫のドスの効いた声にハナはびくんと体を揺らした。

「ごちゃごちゃうるさいのよ」

 姫はゆっくりとハナの胸ぐらを掴んだ。

「ほんとにうるさい、生意気、知ったような口を聞くな。クソガキが。ねえ、痛い目に遭いたいの?」

「は、なっ……」

「親の金で生活するのが嫌なら、出て行けば良いでしょ。ていうか、出て行きなさいよ」

 手に力を入れる姫。

「ちょ、あ……」

「出て行けって言ってんの。人の金で学校行ってんじゃないわよ。出て行くのが嫌なら、母親に離婚を強制しないで。既婚者と恋愛して奥さんと別れてとかいうクソ女と同じね」

 姫はハナの額に自分のそれをつける。

「良い? 離婚はあんたが決めることじゃないわ。夫婦間の問題よ。それを強制するんじゃない。したければするし、したくなければしないんだから」

 姫の迫力に、口をぱくぱくするハナ。

「返事はっ!?」

「は、はいっ」

「次、お父さんに悪口言ったら締めるわよ。あたしはうちの弟みたいに優しくないから、半殺しにしてあげる」

 姫の手がぎりぎりと音を立てる。

「いいわね?」

「わ、わかりました」

 姫は勢いよく手を離した。座り込むハナ。

「心に留めておきなさいよ。養われてる身で生意気なこと言うんじゃないっ」

 姫はそう吐き捨てて、背中を向けたのだった。






 病院を出たところで、奏介はなんとなくエレベーターを振り返った。

「姉さん、秋原さんの妹、青い顔をして戻って来たけど、何言ったの」

「んー? 奏介の口攻撃が聞いたんじゃない?」

「いや、なんか怯えてるっていうかさ」

 まさに何かに脅されたようだった。

「奏介は甘いわよね。物理的に支配するのも時にはアリなのよ?」

「いや、ないから。暴力振るったら逮捕されるし」

「暴力行為は寸止めするのよ。やられるかもしれないという恐怖を植え付けるの。それが出来るようになったら一人前ね」

 笑顔で頭を撫でられて、奏介は肩を落とす。

「いや、もうなんか、姉さんとは分かり合えないところあるよね」

 こんなことを言っているが、実際に暴力をふるったことはないのだ。姉が寸止めの先に行かないことを願うしかない。

物理的脅し……。

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― 新着の感想 ―
[一言] 映画極道の女た⚪の出演を依頼しましょう♪(笑) 亡くなってるかた多いですけど!
[一言] 暴の姉に言と法の弟。 成る程、方法は違えど似た者姉弟なのか。 いや、ドスの利かせかたとか似てるし、幼少期の奏介の性格を考えたら、キレた裏奏介は姉から影響を受けてるとか?
[一言] やはり暴力・・・暴力はすべてを解決する
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