9話 第一回イベント①
すいません!
少し短いですが、キリが良いので、ここで一回区切らせてください。
広場に着くともう既に多くの人がイベントに参加する為に集まっていた。
みんな初めてのイベントという事で大変盛り上がっていると、そこに運営の人間がモニターで映し出される。
「ルール説明を開始しますね。まずはじめに、回復薬は持ち込み禁止です。こちらからも支給しません。基本的に今回のイベントでは回復無しでお願いします。」
「すいません、回復スキルの使用は大丈夫なんですか?」
「はい、大丈夫です。他に質問ある方は? 居ないようなので次の説明に移ります。
このイベントはポイントの総数を競うイベントです。
ポイントを獲得する方法は運営からのメールで届いていると思うので、それで確認して下さい。
そのポイントを使って、イベント終了後スキルや武器と引き換える事ができます。これで説明を終わります」
その男の人がルールを説明し終わると、今度は風格のあるダンディーなおじさんが現れる。
「諸君、このイベントに集まってくれてありがとう! 不正行為などだけはしないように宜しく頼む。ではみんな用意はいいかー?」
「おーーー!」と周りの冒険者達が声を張り上げると、早速転送が開始される。
―――
辺りを見回すとそこには大きな木が乱立していた。おそらく今回のマップは密林なのだろう。
「射線が通りづらいし、俺には若干不利なマップだな。」
ルールも確認したかったので、近くにあった草むらへと潜り込み、運営からのメールを開いて確認する。
そのメールによると、プレイヤーを1人倒す度に5ポイント獲得でき、それに生存点を加えたポイントが総合得点となるらしい。
生存点は残り100人の時点で生き残っていたら20ポイント獲得というように、生存人数があるボーダーに達した時点で自分が生き残っていれば、加算されるらしい。
「よし、じゃあそろそろ倒しに行くか」
ルインが転送されたところは、運良く崖の上であった。崖の下に転送されたプレイヤーも沢山いるようで、ここから見えるだけでも、100人以上確認出来る。
もう既に戦闘を開始している所もあり、そこには人が10人程集まっていたので、とりあえず範囲攻撃系のスキルである〈ヤマタノオロチ〉を撃ち込む。
突然上から放たれた強力な攻撃に下で戦闘をしている者は驚き、慌てている者が大半だ。
冷静に落ち着いて対処していた者には躱されてしまったが、右上に表示されている倒したプレイヤー数を確認すると、今の攻撃で8人は倒せたようだ。
その場にまだ残っているプレイヤーの頭を1人ずつ丁寧に撃ち抜いていく。全員倒せれば良かったのだが、何人かには逃げられてしまった。
逃げた者の事は諦めることにして、ここから視認出来るプレイヤーを1人ずつ頭を撃ち抜いていき、右上に表示されている数字が100を超えた頃、通知が鳴る。
確認すると、どうやら新しいスキルが二つ手に入ったようだった。スキルの詳細を開いて確認する。
〈会心の一撃〉
【効果】攻撃を急所に当てた際のダメージが5割上昇
【獲得条件】500人のプレイヤーを急所での攻撃で倒す。
〈一撃必殺〉
【効果】低確率で敵を一撃で倒す事ができる(ボスモンスターは除く)
【獲得条件】500人のプレイヤーを一撃で倒す。
「両方ともヘッドショットを決め続ければ、特に必要のないスキルだが、まぁ待っていて損はないな」
ここから倒せる敵はほとんど倒しきったので、次の狙撃ポイントに移動しようと思い、立ち上がろうとすると、このイベントが始まってから初めてルインの後ろに気配を感じた。