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アイドルの裏の顔?  作者: 中腸腺
11/15

マリア

読んでください。

イヴァンにつれられていった先は、ボロボロの、小さなバラックだった。


板金でつぎはぎのように覆っている。所々、空いた穴を薄汚れ、黄ばんだ布で覆っている。カエデがそれを見ていると、ふと、気づいた。


「あれ、あの穴の周り、焦げてね?」


一つあいた、大きめの穴、その周囲には、黒ずみ、煤けた部分がある。

イヴァンがカエデの指さす方を向き、それを見ると、一瞬だけ表情を曇らせた。



「あぁ、あれは、この前のマフィアの抗争で、ね……」


そこでカエデは思い出す。少し前にスラムを牛耳る、二つのグループが、構成員同士のいざこざから大規模な銃撃戦にまで発展したことを。


そのときに使われたグレネードが、バラックの壁を壊したというのだ。


「なるほどね………」


カエデがその光景を見ながら考え事をしていると


「おにいちゃん!!今帰ってきたの!?」


後ろから叫び声がした。

振り替えると、まだ10代にも満たない少女が駆け寄ってきていた。黒い目に、黒髪。アジア系だろうか?カエデと同じだ。



「マリア、ただいま。」


イヴァンが兄の顔になる。柔らかな微笑みを浮かべ、少女……マリアに抱きつかれ、頬にキスをする。


「いい子にしてた?」


イヴァンが微笑みながら尋ねると、花が咲くような笑みが返ってくる。


「うん!いい子にしてたよ!“包帯も自分で替えたし”!」

イヴァンはそれを聞いてマリアの頭を撫でる。

「そうか、偉いぞー。」


その光景を、カエデは痛ましい目で見ていた。


少女の、マリアの右足、膝から下は

“木を削って作られた棒だったから”


イヴァンの妹は、マフィアの抗争で起きた爆発……バラックに穴を開けた手榴弾により足を失っていたのだ。




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