表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/100

第95話(真木の知らない話 その2)

 真木の知らない話をしよう。

 パート2。


 千歳が消えた事で、あじさい学園では千歳の失踪に とても大騒ぎしていた。

 真木と教師・岩生の住むアパートに、ある老人が赴く。年の頃は60くらいの、黒いコートと帽子を身につけていた。帽子から はみ出て生える白髪がよく黒のおかげで目立つ。

 杖を持ち、茶色いブランド物のバックを持って玄関のドア前へと立った。


 呼ばれて飛び出て教師・岩生がドアを開けると、その老人は帽子をとり軽く会釈する。

「わたくし、あじさい学園 園長の松井と申しますが、こちらに……」

と、声を出しかけた時だった。


 いきなり。


 ビビビビビ!


「うぐっ……!」

 苦しい声を上げ、老人は前のドアに寄りかかり倒れていった。

 何が起こったかというと。「危なかったなぁ、岩生」

 真である。

 老人の背後から、明るい笑顔で登場した。

「ななな、何をしたんだオイ……真」

 ドアを開けただけの岩生は、今 起こった出来事に目をパチクリさせ嫌な汗をかいていた。


 もったいぶらずに言おう。

 真はスタンガンのような物を老人の首筋に当てて気絶させた。

「ノンノン。そんな物騒な代物ではない! ただのミルキービーム発生装置、『ミル・ショック』!」

 真が自慢げに言った。教師・岩生が「何だそれは」と言及した。

「寿也くんの発想に触発されてね。肩こり・腰痛それと悩みに効くんだ」

「悩み……?」

「気休めという言葉があるだろう。アレアレ。脳を刺激して、暗い所を取っ払うんだ! 全国の皆さんの気の病も迷いもヤバイも、コレで刺激を与えられりゃ一発解消! 夢の道具!」

 見たか! と真は高く、物を持った手を掲げた。

「ただし まだ試作段階」

 ……と、小さく補足する。

「そんな事より何やってんだ! そんな物で人間を攻撃して! あじさい学園から わざわざ来て下さったんだぞ!」

 岩生、パニックになる。両手で頭を抱えた。

「だからヤバイと思ったんだってば! 千歳くんはもう居ないだろ。きっとココに目をつけて来てしまったんだと咄嗟の判断だった」

 真はそう言うと、うずくまるようにして倒れていた老人を起こそうとした。

 老人はパッと目を開け起き上がり、四つんばいのまま真の顔を見る。

「あなたは……ハテ? わたくし、何しにココへ……?」

「おっしゃラッキー」

 真、パチンと指を鳴らした。

「ラッキー……?」

 まだボンヤリとしたままの老人を、真は最高の笑みと背景効果の薔薇で迎えた。

「さ、さ。送って参りますよ ご老人。あなたの余生は きっと薔薇色」

 そんな事を言って、ただの背景効果のはずの薔薇を一輪とり老人に渡した。

 すっかり真のペースに はめ込まれ、教師・岩生に見送られて2人はボロアパート『しょぼクレ荘』を後にした。


 真は老人を あじさい学園まで送って行き……。

 あじさい学園の場所を突き止めた後。


 アルペンと共に、あじさい学園中の人々の記憶を消しに再び訪問した。


 消す? こんな大人数を?

 どうやってか? 『ミル・ショック』で地道にか? いや ちょっと違う。



『ミル・大ショック』



 強化版が存在していた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ