表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/100

第87話(奇跡とは)

 祈る事はバカみたいな事なんだろうか。あたしは聞きたい。

 今の あたしに出来る事って何だろうか。誰か教えられるもんなら教えて、あたしに。


 所詮、いざって時には祈るしか出来ない。でも それだけが せめて、だ。


 あたしは祈ろう。全身全霊を込めて。


『条件が合えば、同じ奇跡も起こる』

 真さんの言葉。ならば条件を合わせよう。それが行動だ。



 奇跡とは、結果だ。



「千歳くん……!」


 あたしも、寿也の両手の上に重ねて両手を置いた。

 その上に、先生の手も。

 そして、志摩浪さんも、その場に居た他の人たちも。

 千歳くんの周りは生還を祈り願う人でいっぱいだ。何て幸せなの、千歳くん。あなたの事を大事に思ってくれる人が。他人でも。こんなに居るのよ。

 だから かえって来て。奇跡を見せて。


 緑色の淡い光で包まれる、あたしたち。

 熱を肌で感じないけれど、温かいと思った。こんなに温かいと思った事は無い。きっと無い。


 なのに……。


「くっ……」

 寿也が、少し苦しそうな声を出した。「寿也っ……」

 寿也の体力も限界を超えていた。

 無理も無い。千歳くんを救うために、車に居た時からずっとどれだけの長い時間、気を集中させ それを持続させるために また集中させ……。


 寿也も限界だ。限界を超えているんだ。

 でも、止めるわけにはいかない。止めてしまったら千歳くんは、もう……。


 あたしが。

 あたしが出来る事は本当に何も無いの?

 あたしはミルキー星人で、女の子で……。



 あ。


 そうだ。

 一つ、思い出した。


「あたし、王女だ」


 たった それだけの事だけれど。

「あたしは王女……」


 あたしは意識を集中する。神経を研ぎ覚ます。

 静かに行動に出る。


 あたしに出来る事。


 ……ミルキー電波、王女バージョンだ!!



『 地 球 上 の ミ ル キ ー に 告 ぐ ! 』



 ……。



 ……あたしはノリとテンションに身を任せた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ