表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/100

第5話(第3の人生)

 冬が過ぎ、春を迎え。

 あたしはどうしても体と脳が拒否して学校へ行けなかった。

 怖い。皆があたしを見る。驚きか賞賛か、ガンを飛ばされるのかヤラシイ目で見られるのか。考えれば考えるほど、体が震えてくる。思い出したくない 消えて。


 ……


 ダメなんだ、このままじゃ。先生にも迷惑をかけてしまう。幼女誘拐なんてニュースが流れるたびに「キョエー」って思うのに。しかも割と多い。

 先生には大きくなったら恩返しするんだ。だからこのままダメ負け犬になってはいかん。


 いかんいかんいかん!


 あたしは決心した。

 決心するなんて久しぶり。

 学校へ行こう。

 どうせもうすぐ学年が一つ上がる。小学5年生になるんだ。

 クラス替えもある。チャンスだ。

 この機を逃して、なるものか。


 あたしの第3の人生、あたし人称になって ここからスタート!


 ……そんなわけで、あたしは学校の、教室の入り口前に居る。

 さっき人ごみの中 頑張って、クラス分けの発表を見てきた。

 5年A組。間違えてはいない。

 まだ朝のHRまでには時間がある……教室の中から騒ぎ声がする。これからクラスメイトになるであろう、元気な子供たちの声だ。あたしも子供だけど。

 それより何でドアが閉まっているんだ、開けておけばいいものを。

 ええい、もう知らないっ。


 グワラッ!


 ドアを開けた。

 空気が固まったと感じたのは錯覚である事を祈る……しかし……やっぱり?

 クラスの皆の視線を浴びた。騒いでいた音が止まってしまった。

 ちょっとシーン……。

 え? アレ誰? あの美少女誰? でもどっかで見た事あるよーな……。

 そんな事を口々に言っているような気がした。


 どうしよう……あたしはどうしたら。

 ここはクルッと回って「オハヨ」とスマイル? ……できるわけが無い。


 どうしようどうしよう。何のリアクションも浮かばない出来ないもう逃げたい!


 あたしが固くなって目をつぶっていると、一人の男子が近づいて来た。

 そして。

「こいつ、僕の連れ」

と……突然あたしの肩に手をまわし、顔を近づけ、さらに小指を立てた。


 …………はい?



 ……放課後、黒板に堂々と相合傘を書かれるようになってしまった……。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ