第41話(こんにちは)
何で わざわざ川の上に降りてきたんだろうか、この未確認飛行物体またの名をUFO。
出てきた人? は川の中に落ちているし。
……ただ、浅かったから、首から下の衣服が濡れた程度で済んでいる。
「Oh! Noォ〜!?」
そのまんま、『Oh! No!』のポーズをとっている。美人な宇宙人(仮)。
「あ、あの。大丈夫ですか?」あたしは言語が通じるか わからないけれど、とにかく声をかけてみる。さっきのは英語のように聞こえたのだけれど。
「大丈夫よプリンセス。ありがとう。ちょっと着地失敗ね。いつもこうなんだから……」
よかった、日本語だ。あたしはホッとする。
しかしいつも着地失敗していると言った口ぶりだ。本当に大丈夫なんだろうか。
立ち上がった寿也があたしより前に出る。
「あんた誰だ。僕か真木に何か用か」
気のせいか、寿也が強気な気が。どうしたんだろう?
「初めまして。私はMWS調査チームの総括メンバーの一人。綾島のどか。日本育ちのミルキーよ。よろしく」
サングラスを取って、黒い瞳を見せた。
「真から連絡を受けてすぐ飛んで来たんだけど。あなたが寿也くんで、そっちが……」
「真さんはココには居ません。それより、真さんに何て言われて来たんですか?」
まるで言葉を遮るかのように、寿也は質問をぶつける。
寿也……?
「やけに突っかかる子ね。寡黙な子と聞いていたのに。まあいいわ。私、調べに来たのよ」
そう言いながらザブザブと水の中を歩き、寿也の前まで歩み寄る。
「調べに来たって……?」
と、あたしが言いかけた時。
何と何と、その綾島とかいう人は!
ひしっ!
と、寿也に抱きついてしまったではないか! 濡れた服のままで。
「……!?」
目を丸くする あたし。寿也も、かなり手格好が驚いている。
しかも何と! 抱きつかれたかと思ったら……!
モミモミモミモミ。
絡みついた腕で、寿也を もみほぐす。
ぎう〜〜〜っと、しがみついた状態。
「なになになになに……!」
あたしの両手が、胸の前でワナワナと震える。
「なななななっ……」
ドッカンッ!!
あたしから何かが噴火した。
「何してんのよおおおおおっ!!」