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第40話(UFO出現)


 受験生の方は40話は読まないで下さい。41話も? 気にしない方はどうぞです。




 あたしは立ち上がる。

 そうだ。寿也に謝ろう。そう思いついた。

 うん、それがいい。こうやって手をこまねいて待っているよりは、きっといい。

 決心したあたしは歩き出し、寿也の背後に忍び寄る。

 堀を下り、寿也の背後に近づいて「と……」と口を開いた時。


 空が突如、輝き始めた。

 段々と白く……川の水面をも照らし出す。

「な、何!? ……あれ」

 あたしが叫んだ。光だけれど、淡いせいか優しい輝き。目を細くした程度で、ポカンと空を見ていた。

 そして あたしの声が聞こえたのかどうかわからないけれど、寿也はあたしの声に振り返る事も無く、慌てる様子も無く かがんだままで。

 ただ顔を上げて上空を見ていた。

 また、積みかけていた石がコトンと、寿也の手元で崩れる。


 あたしと寿也の前に現れたもの。

 それは……。

「UFO……」

 寿也が呟いた。


 土星のように、球の周囲にリングが取り巻いたような形の、飛行物体。

 銀色に優しく光り輝く発光物体。

 遠くからやって来たのだろうか。川の上空でピタリと止まっていた。

「……」

 あたしと寿也が並んで唖然としていると、ピタリと止まったUFOはスウ〜ッと下へ……川の水面スレスレで止まった。

 UFOが動くたびに周囲に風が発生し、あたしたちの体にぶつかる。

 大きさ、軽自動車一台が入っていそうなほど。

 やがて、リングを避けて出入り口らしき空穴がゴムのように伸び縮みしてできた。


 中から人が……出てきた。


 細身体型で、サングラスをかけた白衣のお姉さん。白衣に隠れて見えにくいけれど恐らくタイトスカートを履いて、そこからスルリと音が鳴りそうなほど滑らかで細い足が のびている。

 前髪は七三分け、少し赤茶の混じった黒い髪の先端はパーマがクルっと かかっている。

 誰が見たってスタイルのいい美人だ。憧れる。


 しかし宇宙人だろうか? ……これだけ美人体型でも。


 あたしが戸惑い、迷っていると。美人な宇宙人(仮)は こちらに進み出て来ようとした。

 そして……。

 ザブン!


 当たり前なんだけど、UFOの下は……川。

 だから……落ちた。



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