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第33話(電波、届かず)

 家に帰ってきたあたしたち4人を待っていたのは、スキヤキ鍋でもメイドでも何でも無い。

 ものすごく怒った佐藤千歳少年だった。

「俺抜きで何処行ってたのさっ」

 ボロアパート『しょぼクレ荘』の前で、仁王立ちで待ち構えていた。


「何度 電波を送っても、“電波の届かない所に居るか、電源が……”って言われて、居てもたってもいられなくなったよっ」

と、千歳くんは寿也の腕に ぎうーっとしがみついた。

 寿也の顔が“もうどうにでもしてくれ”と言っている。


 それより電波を発信すると そんな事 言われる場合があるわけ?

「今度、留守電機能も付けとくから」と寿也が言う。

 ……はぁ。そう……そんなもんなの……。


「真木ちゃん、岩生」

 突如、真さんが呼んだので、あたしと先生は振り返る。真さんはレンタカーに もたれかかって あたしたちを見ていると思いきや。何処か違う所を見ている気がした。

 何かを、考えている。

「俺は いったんオーストラリアに戻るよ。だから」

 え? すぐ帰っちゃうの?

「アレを貸して欲しい。持って帰って調べたいから。『惑星シャンプー』の容器」



 真さんは あたしと先生の家で一泊した後、オーストラリアへと帰っていった。

 昨日渡した、空になった『惑星シャンプー』を手土産に。

 あたしは『惑星シャンプー』を飲み干したが、空になったボトルは大事に保存しておいた。

 それは先生が真さんに電話をかけた時に、そうしろと言われていたからだった。

 容器を手渡した時、真さんは「フウン……?」と首を傾げた。

 あたしが「どうしたの?」と尋ねてみても、「いや」とだけの返事。そして、

「とにかく向こうに帰って徹底的に調べてみるから」

と、約束した。



 真さんが飛行機に乗るのは、あたしが学校に行っている間。

 あたしや先生は普通に学校に行っていたわけだけれど。


 寿也は欠席していた。

(珍しいな。寿也が休みだなんて)

 居るはずの主人が不在で、寂しそうにある寿也の席。とても奇っ怪な光景にさえ見えた。



 その頃。

 空港のロビーで、ソファに座って新聞を読んでいる男、真。搭乗手続きを済ませ、空いた待ち時間を楽に過ごしていた……。

 その前に現れた少年。寿也。

 行き交う人の騒景をバックに、フリースの上着のポケットに両手を突っ込んでいる。

 バサッ……新聞を半折り、その向こうで立っている寿也を、黒いグラサン越しに見た。

 くわえたタバコを灰皿に片付ける。

 先に寿也の方が真に近寄ったが、声をかけたのは真だった。「やあ」「どうも」

 簡単に挨拶あいさつを済ませる2人。「一体どうして……」


「あんたとの隠し事が多いから。真木たちには秘密の……」





【あとがき】

 壊れたパソって爆発5秒前みたいになるんですね。

 早く修理返ってこおい〜(作者の泣き言)。



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