第21話(変身)
それから真さんはゴソゴソとカバンの中から、小さな おもちゃの銃を取り出した。見た目、ホントに安っぽい水鉄砲みたいだ。
「“ミルキー変身銃”。用途・用法はその名の通り」
真さんは試しに先生を撃った。
ズドン。
「ぎゃああ」
先生が消えた。
そんなアッサリ。
「先生!?」
あたしは手をついて立ち上がろうとした。
「大丈夫。ホラ」
と、真さんはヒョイと何かをつまみ上げ、机の上に置いた。
ウインナー。
……まさか……。
「へえ。変身できるんだ、その銃で。ミルキーも人間も関係無く」
「撃った人間の思い通りの姿に変えられるよ。ただし、これはミルキー電波を応用しているから、ミルキー星人にしか使えない。岩生が俺を撃ったって、蚊がとまったくらいにしか感じないわけだ」
「へー……ちょっと欲しい。いくらですか」
「100ミルキーでどう」
「円だといくらなんだろう」
「昨日は1000万円くらいの値がついていたが、今日はどうだろう。上下が極端だからな。タイミングよければ、100ミルキー1円くらいの時も」
「ちょっとそんな話より先生を元に戻して下さい!」
あたしはバン! と机を叩いた。放っておくと話がどんどん脱線していく。
あたしが机を激しく叩いたせいで、ウインナーがコロコロと転がった。
「先っ生〜!!」
あたしが泣きそうな声を上げた。慌ててウインナーをキレイな皿に盛る。
「僕を尾行してコオロギになって隠れようとしたわけですね。捕まえて持って帰るんじゃ無かった」
一生の不覚、というような顔をした寿也。
コオロギは変身した真さんだったのか……真さんはコオロギになって、寿也のお持ち帰りになったわけだけれど。一体、寿也のプライベートの何を見たというのだろうか。
……まあいい。そんな話は。今はどうでも。
「あ、しまった」
真さんはポンと手を打った。
「イメージして撃てば すぐに元に戻るけど。タマ切れだ」




