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お犬様が居る訳
どうでもいいが、私は犬嫌いであった。
記憶にも残らない幼少期に追いかけられたりしたのか、生来の臆病な性格が起因しているのか、定かではないが、私は犬を苦手としていた。
そんな私が生活する我が家に犬がやって来たのは、忘れもしない中三の一月。
高校受験の真っ只中、どう考えても追い込みの時期である。
中三と中一。子供達からある程度、手が離れたのもあるかもしれない。買い物帰りに前々から気になっていたというペットショップに立ち寄ったが最後。
「犬を飼うことにしたから」
一旦、買い物の荷物を置きにきた母はそう宣言し、お金をかき集めると、再び車に乗り込んで出掛けてしまった。
斯くして、母の衝動買いにより雪混じりの寒い雨の日から十数年、我が家の生活の中心には常にお犬様が居るのである。
これは、そんなお犬様との日常を綴る日記みたいなもの。
スマホでの練習を兼ねた自己満足で書いてます。